オンラインアシスタント比較|公式料金6社を時間単価に直すと順位が変わる

「オンラインアシスタント 比較」で出てくる一覧表は、ほぼすべてが「月額◯◯円〜」を横並びにしたものです。しかし各社のプランに含まれる稼働時間は月10時間から60時間までバラバラで、月額をそのまま並べても比較になりません。実際、公式料金ページから6社の全プランを拾って時間単価(月額 ÷ 月間稼働時間)に直すと、最安と最高の差は4.80倍から1.80倍に縮み、順位も入れ替わります

この記事では、比較メディアの一覧表を使わず、各社の公式料金ページと利用規約を直接読んで数字を組み直します。あわせて、時間単価を壊す契約条件(繰越・超過・解約予告)、規約に埋まっている発注者側のリスク、そして「アシスタント」と名前が付いていても依頼できない業務(士業の独占業務)を一次資料で確認します。

※本記事の料金・規約は2026年8月2日に各社公式サイトで確認した内容です。料金は改定されることがあるため、発注前に必ず最新の公式ページをご確認ください。

  1. 結論:比較すべきは「月額」ではなく「実効時間単価」
  2. 公式料金ページから拾った6社・17プランの実額と時間単価
    1. 月額の並びと時間単価の並びは一致しない
    2. 同じ30時間を買ったらいくらか
  3. 割引の効き方は3タイプに分かれる
  4. 比較記事の掲載価格を公式と突き合わせた結果
    1. CASTER BIZの「37,000円〜」はHTMLコメントの中にある
    2. 誰でも5分でできる突き合わせの手順
  5. 時間単価を壊す4つの契約条件
    1. 1. 繰越の可否 ── 消化率61.4%が分岐点
    2. 2. 超過の課金ルール ── 10時間単位の切り上げに注意
    3. 3. 「時間」の定義 ── 実働時間とは限らない
    4. 4. 税表記の有無 ── 6社中3社が無表記
  6. 解約予告期間が実質の最低契約期間を決める
  7. 利用規約で必ず読む5条項
    1. 1. 指揮命令の禁止 ── 「アシスタント」でも直接指示はできない
    2. 2. 再委託の包括同意 ── 監督義務だけが発注者に残る
    3. 3. 生成AIへの入力同意 ── 規約に明記している社がある
    4. 4. 損害賠償の上限 ── 過去6〜12か月の支払額まで
    5. 5. スタッフとの直接契約禁止
  8. 依頼できない業務がある ── 士業の独占業務
    1. 社会保険・労働保険の手続きは社労士法27条の独占業務
  9. パート採用・派遣と比べる ── 分岐点は月10時間前後
    1. 月30時間ならそもそも社会保険料は発生しない
    2. 実効時給で比べると、量が少ないほどパートは不利になる
    3. 「新卒より安い」という説明を検算する
  10. 検索上位10件の運営者を調べた結果
  11. 発注前チェックリスト
    1. 料金(比較の土台をそろえる)
    2. 時間の扱い(実効単価を左右する)
    3. 契約期間(抜けられるかを先に決める)
    4. 体制と法務
  12. よくある質問
    1. Q. オンラインアシスタントとオンライン秘書は違いますか?
    2. Q. 最低何時間から頼めますか?
    3. Q. 使わなかった時間はどうなりますか?
    4. Q. アシスタントに直接、作業時間や手順を指示してもいいですか?
    5. Q. 給与計算や社会保険の手続きは頼めますか?
    6. Q. 情報漏えいが起きたら補償されますか?
    7. Q. 比較サイトの料金表はそのまま使えますか?
    8. Q. 個人事業主でも利用できますか?
  13. まとめ:3つの数字で比較する
  14. 参照元
    1. 各社公式ページ(2026年8月2日確認)
    2. 比較記事(掲載価格の照合に使用)
    3. 法令・公的資料

結論:比較すべきは「月額」ではなく「実効時間単価」

先に結論を5行で示します。根拠は本文で1つずつ検算します。

  • 月額の横並びは価格差を2.7倍に水増しする。各社の最安プランを月額で並べると最安27,500円・最高132,000円で4.80倍ですが、時間単価に直すと2,444円と4,400円で1.80倍です。時間の量が違うものを比べているだけです。
  • 比較記事の掲載価格は公式と食い違う。照合できた6社のうち3社でズレがありました。うち1社(CASTER BIZ)の「月額37,000円〜」は、公式料金ページのHTMLソースには残っているがコメントアウトされていて画面に表示されないプランの価格です。
  • 時間単価は契約条件で簡単に壊れる。繰越不可のプランは消化率が61.4%を下回ると最高値のプランより高くなります。タスカルは超過分が10時間単位の切り上げ課金で、契約10時間に対して11時間使うと実効単価が表示の1.82倍になります。
  • 依頼できない業務がある。社会保険・労働保険の届出書類の作成と提出代行は社会保険労務士法27条の独占業務で、違反は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(同法32条の2)。給与計算そのものは独占業務ではありませんが、賃金台帳の作成は同法2条1項2号に当たります。
  • 検索上位10件のうち6件は、オンラインアシスタントを売っている会社自身が運営する記事。本文を確認できた4件はすべて自社サービスを1位に置いていました。

以下、この5つを順に検算していきます。

公式料金ページから拾った6社・17プランの実額と時間単価

比較メディアの一覧表ではなく、各社の公式料金ページを直接読んで、公開されている全プランを時間単価に直したものが次の表です。時間単価は「月額 ÷ 月間の稼働時間(または目安時間)」で計算しています。

サービス 運営会社 プラン 月額 月間時間 時間単価 契約期間 税表記
なげっぱ TEAMWORKS株式会社 プラチナ 110,000円 45時間 2,444円 1ヶ月〜 なし
なげっぱ 同上 スタンダード 57,000円 21時間 2,714円 1ヶ月〜 なし
タスカル 株式会社Colors 年間プラン 27,500円 10時間 2,750円 12ヶ月 なし
フジ子さん BPOテクノロジー株式会社 PLAN50 143,000円(税込) 50時間 2,860円 1ヶ月・自動更新 税込
なげっぱ 同上 ライト 35,000円 12時間 2,917円 1ヶ月〜 なし
i-STAFF 株式会社ビープラスト プレミアム 89,100円(税込) 30時間 2,970円 12ヶ月 税込
フジ子さん 同上 PLAN30 97,350円(税込) 30時間 3,245円 1ヶ月・自動更新 税込
フジ子さん 同上 PLAN20 65,560円(税込) 20時間 3,278円 1ヶ月・自動更新 税込
タスカル 同上 6ヶ月プラン 33,000円 10時間 3,300円 6ヶ月 なし
HELP YOU 株式会社ニット チームプラン 100,000円 30時間 3,333円 6ヶ月 なし
HELP YOU 同上 チームプラン 150,000円 45時間 3,333円 6ヶ月 なし
HELP YOU 同上 1名専属プラン 200,000円 60時間 3,333円 6ヶ月 なし
i-STAFF 同上 ベーシック 102,300円(税込) 30時間 3,410円 6ヶ月 税込
i-STAFF 同上 ライト 125,400円(税込) 30時間 4,180円 3ヶ月 税込
タスカル 同上 3ヶ月プラン 44,000円 10時間 4,400円 3ヶ月 なし
CASTER BIZ 株式会社キャスター BASIC 12ヶ月 132,000円(税込) 30時間 4,400円 12ヶ月 税込
CASTER BIZ 同上 BASIC 6ヶ月 145,200円(税込) 30時間 4,840円 6ヶ月 税込

HELP YOUには別途スポットプラン(30万円〜・1ヶ月〜・時間カスタマイズ)、CASTER BIZには助成金・補助金サポートプラン(1ヶ月30時間・231,000円税込)と導入コンシェルジュオプション(月55,000円税込)があります。i-STAFF・CASTER BIZ・HELP YOU・フジ子さんはいずれも上位のカスタマイズプランを用意しており、上表は「公開されている定額プラン」の全量です。

月額の並びと時間単価の並びは一致しない

各社の最安プランだけを取り出して2通りに並べると、こうなります。

順位 月額が安い順(各社の最安プラン) 時間単価が安い順(各社の最安プラン)
1 タスカル 27,500円(10時間) なげっぱ 2,444円(45時間)
2 なげっぱ 35,000円(12時間) タスカル 2,750円(10時間)
3 フジ子さん 65,560円(20時間) フジ子さん 2,860円(50時間)
4 i-STAFF 89,100円(30時間) i-STAFF 2,970円(30時間)
5 HELP YOU 100,000円(30時間) HELP YOU 3,333円(30時間)
6 CASTER BIZ 132,000円(30時間) CASTER BIZ 4,400円(30時間)
最安と最高の差 4.80倍 最安と最高の差 1.80倍

入れ替わるのは1位と2位だけですが、注目すべきは順位より差の大きさです。月額で並べると最安と最高が4.80倍離れて見えますが、時間単価では1.80倍しかありません。月額の一覧表は、価格差を実際の2.7倍に見せています。「A社は月2.7万円、B社は月13.2万円」という表を見て「5倍も違う」と受け取ると、判断を誤ります。

同じ30時間を買ったらいくらか

時間単価の次に確認すべきは「自社が必要とする時間数を、各社でそろえて買ったらいくらか」です。月30時間を、各社の最も安くなる契約期間で買った場合を計算します。

サービス 組み方 月額合計 税込換算(税表記なしは税別と仮定)
タスカル 年間プラン10時間 × 3 82,500円 82,500〜90,750円
i-STAFF プレミアム(30時間) 89,100円(税込) 89,100円
フジ子さん PLAN30 97,350円(税込) 97,350円
HELP YOU チームプラン30時間 100,000円 100,000〜110,000円
CASTER BIZ BASIC 12ヶ月 132,000円(税込) 132,000円
なげっぱ 30時間ちょうどのプランなし(21時間 or 45時間) 57,000〜110,000円

ここで1位のタスカルと2位のi-STAFFの差は最大でも1,650円まで縮みます(タスカルが税別だった場合は90,750円で、i-STAFFの89,100円を上回り逆転します)。月額最安ランキングでは1位と4位、5万円以上離れていた2社が、条件をそろえると誤差の範囲に入る——これが月額比較の実害です。

また、なげっぱのように必要な時間数のプランが存在しないケースもあります。30時間必要なら21時間プランでは足りず、45時間プランでは15時間分を余らせます。プラン刻みが自社の必要量と合っているかは、時間単価と同じくらい重要な比較軸です。

割引の効き方は3タイプに分かれる

各社の「最も高いプラン」と「最も安いプラン」の時間単価を比べると、何によって単価が下がるのかがはっきり分かれます。

タイプ サービス 最高単価 最安単価 下落率 下がる条件
契約期間で効く タスカル 4,400円(3ヶ月) 2,750円(12ヶ月) ▲37.5% 長く縛る
i-STAFF 4,180円(3ヶ月) 2,970円(12ヶ月) ▲28.9% 長く縛る
CASTER BIZ 4,840円(6ヶ月) 4,400円(12ヶ月) ▲9.1% 長く縛る
発注量で効く なげっぱ 2,917円(12時間) 2,444円(45時間) ▲16.2% 時間を多く買う
フジ子さん 3,278円(20時間) 2,860円(50時間) ▲12.8% 時間を多く買う
効かない HELP YOU 3,333円 3,333円 0%

この分類は実務的な意味を持ちます。

  • 業務量が読めない段階で「契約期間で効く」タイプの最安プランを選ぶのは危険です。タスカルの年間プランは3ヶ月プランより37.5%安いのですが、その割引は12ヶ月の拘束と引き換えです。まず短期プランで試すなら、その間の単価は最高値になると織り込んでおく必要があります。
  • 「発注量で効く」タイプは、時間を増やせるかどうかが割引の条件です。フジ子さんは1ヶ月契約のまま単価を下げられますが、そのためには月50時間分(143,000円税込)を発注する必要があります。
  • HELP YOUは3プランとも時間単価が3,333円で完全に一定です。30時間でも60時間でも単価が変わらないため、「たくさん頼めば安くなる」という前提が成立しません。逆に言えば、量が読めない段階では単価の予測が最も簡単なタイプです。

比較記事の掲載価格を公式と突き合わせた結果

検索上位の比較記事に載っている料金を、各社の公式料金ページと1件ずつ照合しました。結果は次のとおりです。

サービス 比較記事の掲載 公式料金ページ 判定
CASTER BIZ 月額37,000円〜(STARTER 10時間・12ヶ月) 表示されているのはBASIC 30時間のみ(6ヶ月145,200円税込/12ヶ月132,000円税込) × 画面に表示されないプラン
フジ子さん 月額51,700円〜 最安はPLAN20の65,560円(税込) × 約1.4万円安い
i-STAFF ライト(30時間・3ヶ月)102,300円 通常125,400円(税込)/期間限定93,000円(税別)=102,300円(税込) × 期間限定価格
HELP YOU チームプラン30時間 100,000円 100,000円 ○ 一致
タスカル 3ヶ月44,000円/年間27,500円 一致(6ヶ月33,000円が抜けている) △ 一部欠落
なげっぱ 月額35,000円〜 ライトプラン35,000円 ○ 一致

CASTER BIZの「37,000円〜」はHTMLコメントの中にある

もっとも注意が必要なのがこのケースです。CASTER BIZの公式料金ページ(https://cast-er.com/plan/)を開くと、表示されるのはBASIC(30時間/月)の6ヶ月プランと12ヶ月プラン、そしてCUSTOMだけです。ページ冒頭にも「月のご利用時間は30時間から」と明記されています。

ところが、このページのHTMLソースには次の記述が残っています。

  • STARTER(10時間/月)/1ヶ月プラン 46,000円(税込50,600円)/6ヶ月プラン 41,000円(税込45,100円)/12ヶ月プラン 37,000円(税込40,700円)
  • BASIC(30時間/月)の「1ヶ月プラン」列

これらはHTMLコメント(<!– –>)で囲まれており、ブラウザには表示されません。実際、ページのテキストを抽出すると「BASIC」は現れますが「STARTER」も「37,000」も現れません。つまり比較記事が掲げている「月額37,000円〜」は、公式ページの制作上は残っているものの、現在は掲出されていないプランの価格ということになります。

これが恒久的な廃止なのか一時的な非掲載なのかは外部からは判断できません。ただし発注者の立場でいえば、「比較記事の最安値で予算を組んだら、公式に問い合わせた時点で下限が3.6倍(40,700円→145,200円)になっていた」という事故が起こり得るということです。

誰でも5分でできる突き合わせの手順

比較記事の数字を鵜呑みにしないための手順は単純です。

  1. 比較記事の一覧表から、候補3社の「月額」と「プラン名」「時間数」をメモする。
  2. 各社の公式サイトで「料金」「PRICE」「プラン」のページを開く(多くはグローバルナビにあります)。
  3. プラン名・時間数・金額の3点セットが一致するかを見る。1つでも欠けていたら比較記事の値は使わない。
  4. 金額の横に「税込」「税別」の表記があるかを確認する。なければ問い合わせ時に確認する。
  5. 「期間限定」「キャンペーン」の文字があれば、その適用期限を確認する。

この5ステップで、上の表の「×」3件はすべて発注前に検出できます。

時間単価を壊す4つの契約条件

時間単価の計算は出発点にすぎません。実際に支払う金額を1時間あたりに直した「実効時間単価」は、次の4つの条件で大きく変わります。

実効時間単価 =(月額 + 超過料金)÷ 実際に使えた時間

1. 繰越の可否 ── 消化率61.4%が分岐点

使い切れなかった時間が翌月に繰り越せるかどうかで、実効単価は「表示単価 ÷ 消化率」に変わります。i-STAFFの利用規約はこの点を明確に定めています。

ユーザーが予め定められた期間内に、利用時間を全て行使せず、未行使の利用時間が存在していたとしても、当該期間を経過したことをもって未行使の利用時間を行使する権利は消滅し、未行使の利用時間は翌期間に繰り越すことはできないものとし、1ヶ月を超える長期の契約を締結したとしても、弊社の定めた利用期間が1ヶ月毎に区切られている場合は、最初の1ヶ月間において利用時間を全て行使していないときであっても、当該未行使分は全て利用期間内に行使したものとみなされる(i-STAFF 利用規約)

この条件で、i-STAFFプレミアム(表示単価2,970円)の実効単価を計算すると次のようになります。

消化率 実効時間単価 比較
100% 2,970円 表示どおり最安クラス
89.1% 3,333円 HELP YOUのチームプランと並ぶ
70% 4,243円 CASTER BIZ 12ヶ月(4,400円)に迫る
61.4% 4,840円 この記事で最も高いCASTER BIZ 6ヶ月と並ぶ
50% 5,940円 全プラン中で最も高い

つまり繰越不可のプランは、消化率が61.4%を下回った時点で、表の中で最も高いプランより割高になります。月30時間の契約で実際に使ったのが18時間、というのは業務の切り出しが進んでいない導入初期には十分あり得る水準です。

なげっぱは解約時について「未行使の利用時間は契約解除日の翌々月末日をもってすべて消滅する」と定めており、繰越の余地を認めています。フジ子さんの料金ページには「翌月へ時間を繰り越せるプランもございます。詳細はお問い合わせください」とあり、プランによる差があります。繰越は料金表に書かれていないことが多いため、必ず規約と見積書の両方で確認してください。

2. 超過の課金ルール ── 10時間単位の切り上げに注意

契約時間を超えたときの扱いは各社で大きく違い、ここが総額を最も動かします。

サービス 超過時のルール(公式表記)
タスカル 「超過分は、プラン毎の10時間単位で加算(切り上げ)させていただきます」
フジ子さん 「超過料金(時間単価×1.5倍)が加算」/超過は「当月の利用時間の2倍の時間数または、デポジットをいただいたお時間まで」
なげっぱ 「目安時間を超過する作業をご依頼いただく場合は、翌月よりプランアップのご提案をさせていただきます」
i-STAFF カスタマイズプランで実働時間の追加が可能

タスカルの10時間単位切り上げを実額で見ると、次のようになります(年間プラン・10時間27,500円の場合)。

実際の稼働 課金される時間 支払額 実効時間単価 表示単価(2,750円)との比
10時間 10時間 27,500円 2,750円 1.00倍
11時間 20時間 55,000円 5,000円 1.82倍
15時間 20時間 55,000円 3,667円 1.33倍
20時間 20時間 55,000円 2,750円 1.00倍
21時間 30時間 82,500円 3,929円 1.43倍

プランの区切りをわずかに超えた月がいちばん割高になります。業務量が月によって上下するなら、区切りの直下ではなく、上のプランに乗せて余りを繰り越すほうが安く済むことがあります。

フジ子さんの場合、PLAN30(97,350円税込・30時間)で40時間使うと、超過10時間 × 3,245円 × 1.5 = 48,675円が加算され、合計146,025円。実効時間単価は3,651円で、表示の3,245円から12.5%上がります。上限いっぱいの60時間まで使うと合計243,375円・実効4,056円となり、CASTER BIZ 12ヶ月プランの水準に達します。

3. 「時間」の定義 ── 実働時間とは限らない

見落とされがちですが、各社の「◯時間」が同じ意味とは限りません。なげっぱの利用規約はこう定めています。

弊社は利用者の出された個々の依頼に対し、依頼内容ごとに適切な業務遂行方法を独自の立場において検討し、業務遂行に必要な時間数(以下「見積時間」という)を利用者に提示します。利用者が…これを承諾したときに個別の業務委託契約が成立します。弊社が業務を実施した結果、見積時間よりも短時間で業務を完了したとしても、利用者は見積時間分の費用を支払うものとします。また、弊社が業務を実施した結果、見積時間よりも長い時間を要したとしても、弊社は利用者に追加の費用を請求しません(なげっぱ 利用規約)

つまり、なげっぱの「12時間/月」は実働時間ではなく、事前に合意した見積時間の総量です。作業が早く終わっても消費時間は減らず、逆に想定より長引いても追加請求はありません。リスクの向きが他社と逆になる仕組みで、良し悪しではなく「同じ12時間でも意味が違う」という点が比較上の要点です。

また同社の規約には「本サービスの利用により、弊社が提供する役務の内容は、一定の仕事の完成を目的とした請負業務ではありません。よって利用者が依頼した仕事が完成に至らない場合であっても、代金は生じるものとなり、先に入金いただいた場合であっても返金はいたしません」とあります。オンラインアシスタントは基本的に準委任型(成果物の完成を約束しない)であり、この点は業界共通です。成果物の完成責任を求めるなら、請負契約として別途発注する必要があります。契約類型の違いについては業務委託と外注の違いをわかりやすく解説で整理しています。

4. 税表記の有無 ── 6社中3社が無表記

今回確認した公式料金ページのうち、タスカル・なげっぱ・HELP YOUの3社は料金ページに「税込」「税別」の表記がありませんでした(ページ内を「税込」「税別」「税抜」「消費税」で検索して該当なし)。フジ子さん・CASTER BIZ・i-STAFFは税込を併記しています。

事業者間取引は消費税法の総額表示義務の対象外なので、これ自体は問題ではありません。ただし比較する側にとっては影響が大きく、税別だった場合は時間単価が1.1倍になります

サービス 表示単価 税別だった場合の税込単価 影響
なげっぱ(プラチナ) 2,444円 2,688円 依然として最安
タスカル(年間) 2,750円 3,025円 i-STAFFプレミアム(2,970円)に抜かれる
HELP YOU 3,333円 3,667円 i-STAFFベーシック(3,410円)に抜かれる

税表記のない金額を、税込表記の金額と同じ表に並べている比較記事がそのまま順位付けをしているなら、その順位は信頼できません。

解約予告期間が実質の最低契約期間を決める

「最低契約期間1ヶ月」と書かれていても、実際に何ヶ月分を払うことになるかは自動更新と解約予告期間で決まります。各社の規約・注記から拾うと次のとおりです。

サービス 最低契約期間 自動更新 解約予告 中途解約
タスカル 3ヶ月/6ヶ月/12ヶ月 あり(同一の利用期間で更新) 満了の5日前まで 契約期間内の利用料と立替経費を全額支払えば可
i-STAFF 3ヶ月/6ヶ月/12ヶ月 あり 満了の1ヶ月前まで 「弊社が定める違約金を徴収することもあります」
なげっぱ 1ヶ月 あり 満了の1ヶ月前まで 規約に明記なし
フジ子さん 1ヶ月 あり 1ヶ月前に連絡。連絡日の翌月末日が最短の解約日
HELP YOU 6ヶ月(スポットは1ヶ月〜)
CASTER BIZ 6ヶ月/12ヶ月

この表から読み取るべき点は3つです。

  • タスカルの「満了の5日前」は例外的に短い。年間プランを使っていて満了5日前を過ぎると、規約上はさらに12ヶ月分(27,500円 × 12 = 330,000円)の契約が更新されます。ただし同社は「契約期間内の利用料及び立替経費を全額支払うことにより契約期間満了前に解約することができる」とも定めているため、更新後も残額精算で抜けられる建て付けです。いずれにせよ満了日はカレンダーに入れておくべきです。
  • 「1ヶ月から」でも最短コミットは2ヶ月分に近い。フジ子さんは1ヶ月契約の自動更新ですが、解約は1ヶ月前連絡が必要で、連絡した日の翌月末日が最短の解約日です。初月の途中で「合わない」と判断しても、その月と翌月分は発生します。
  • なげっぱは「最低利用期間1ヶ月」と「満了1ヶ月前までの解約申入れ」が同居している。文字どおり読むと、1ヶ月契約で解約するには契約開始時点で解約を申し入れる必要がある構造です。実際の運用は各社に確認してください。

利用規約で必ず読む5条項

料金の比較が終わったら、規約を読みます。オンラインアシスタントの規約には、発注者側のリスクが集中する条項が共通して置かれています。

1. 指揮命令の禁止 ── 「アシスタント」でも直接指示はできない

もっとも見落とされているのがこれです。i-STAFFとタスカルの利用規約には、ほぼ同文の条項が入っています。

アシスタントの業務遂行の方法や評価は弊社がアシスタントとの間において取り決めるものであり、アシスタントとユーザー間にはいかなる意味でも雇用契約又は類似の労働契約は成立しません。アシスタントの時間や場所に関する事項は弊社とアシスタントの間において取り決めるものであり、ユーザーはアシスタントに対して、業務遂行の場所及び時間について指定又は管理することによって拘束したり、業務内容及び遂行方法について業務委託に必要な限度を超えた依頼をしたりしてはなりません。また、アシスタントの業務上の規律に関する事項は、弊社とアシスタントの間において取り決めるものであり、ユーザーが取り決めることはできません(i-STAFF 利用規約)

これは「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(昭和61年労働省告示第37号、最終改正 平成24年厚生労働省告示第518号。いわゆる37号告示)に対応した記載です。同告示2条は、受託事業者が次のすべてを自ら行っていなければ労働者派遣事業に当たると定めています。

  • 1号イ(1) 業務の遂行方法に関する指示その他の管理/(2) 業務遂行に関する評価等の指示その他の管理
  • 1号ロ(1) 始業・終業の時刻、休憩時間、休日、休暇等に関する指示その他の管理(単なる把握を除く)/(2) 時間外・休日労働の指示その他の管理
  • 1号ハ(1) 服務上の規律に関する事項の指示その他の管理/(2) 労働者の配置等の決定および変更
  • 2号 請け負った業務を自己の業務として、発注者から独立して処理すること(資金の調達、事業主としての責任、自己の企画または専門的技術・経験に基づく処理など)

同告示3条は「法の規定に違反することを免れるため故意に偽装されたもの」は労働者派遣事業であることを免れないとしています。「アシスタント」という名称でも、発注者は個々のスタッフに始業終業時刻や作業手順を直接指示することはできません。依頼は「何を、いつまでに、どういう成果で」の単位で行い、やり方と時間配分は受託側に委ねる——これが実務上の線引きです。

この観点から見ると、「窓口がディレクターか、アシスタント個人か」は法務上の意味を持つ比較軸になります。HELP YOUとCASTER BIZはディレクターが窓口に立つチーム制、i-STAFFは自社提供のクラウドツールで進捗管理、という体制の違いは、この告示への対応の差でもあります。偽装請負の具体的な判断基準は業務委託と外注の違い【2026年版】で詳しく整理しています。

2. 再委託の包括同意 ── 監督義務だけが発注者に残る

確認した3社の規約はいずれも、業務の全部または一部を第三者に委託できることへの包括同意を求めています。

弊社は、本件業務の全部又は一部を第三者に委託することができ、ユーザーはこれに同意しているものとみなします。本件業務を遂行するアシスタントは、弊社が選択、決定し、ユーザーはこれに異議を述べないものとします(タスカル 利用規約)

一方、個人情報保護法は次のように定めています。

  • 25条(委託先の監督)「個人情報取扱事業者は、個人データの取扱いの全部又は一部を委託する場合は、その取扱いを委託された個人データの安全管理が図られるよう、委託を受けた者に対する必要かつ適切な監督を行わなければならない」
  • 27条(第三者提供の制限):委託に伴う提供は第三者提供に当たらないため本人の同意は不要(同条5項1号)。ただし25条の監督義務は残る。
  • 26条(漏えい等の報告等):一定の漏えい等が生じたときは個人情報保護委員会への報告と本人への通知が必要。

整理すると、「誰が実際に作業するかは選べないが、監督義務と漏えい時の報告義務は発注者に残る」という構造です。応募者情報、顧客リスト、従業員の個人データを扱わせる業務では、次の3点を契約書または覚書で押さえておくのが現実的です。

  1. 再委託先の範囲(国内か国外か、個人か法人か)と、再委託時の事前通知の有無
  2. アクセスできるデータの範囲と保管場所、契約終了時の返却・消去の方法
  3. 漏えい発生時の通知期限(何時間以内に発注者へ連絡するか)

3. 生成AIへの入力同意 ── 規約に明記している社がある

タスカルの利用規約には、次の条項があります。

弊社は、弊社の裁量により、本件業務を遂行する目的のために生成AI、クラウドツールその他の弊社以外のIT事業者が提供するITツールを利用することができ、当該ITツールにユーザーの登録事項等、個人情報その他のユーザーが弊社に提供した情報及びデータ等を入力することができるものとする(タスカル 利用規約)

これは業務効率化の裏づけとして明示している条項であり、それ自体が不当というわけではありません。ただし発注者は、自社の個人データや秘密情報が外部の生成AIサービスに入力され得ることに、契約時点で同意したことになります。自社に「生成AIへの機密情報入力を禁止する」社内規程がある場合、この条項と矛盾しないかを事前に確認する必要があります。他社の規約にこの記載がなくても、実務でツールが使われている可能性はあるため、「どのツールに何を入力するか」は規約の有無にかかわらず質問すべき項目です。

4. 損害賠償の上限 ── 過去6〜12か月の支払額まで

3社とも賠償責任に上限を設けています。

サービス 上限 最安プランでの実額
i-STAFF 過去12か月にユーザーが支払った対価の額 プレミアム30時間なら 89,100円 × 12 = 1,069,200円
タスカル 過去12か月に支払った利用料の額 年間プラン10時間なら 27,500円 × 12 = 330,000円
なげっぱ 過去6か月に支払った対価の額 ライトプランなら 35,000円 × 6 = 210,000円

いずれも「付随的損害、間接損害、特別損害、将来の損害及び逸失利益にかかる損害については、賠償する責任を負わない」と定めています。個人データの漏えいが起きた場合、本人通知や調査の費用は容易にこの上限を超えます。賠償額で回収する前提を置かず、そもそも渡すデータを絞る設計にするほうが合理的です。

5. スタッフとの直接契約禁止

タスカルの規約は、禁止事項として次を挙げています。

弊社の事前の書面による承諾なくして、業務委託契約、雇用契約その他契約の名目を問わずアシスタントと直接契約を行うこと及び直接契約を行うことをアシスタントに働きかける行為(但し、本サービスの利用期間中及び本サービスの利用契約終了後半年間に限る)(タスカル 利用規約)

「気に入った担当者を最終的に自社で採用する」出口を想定しているなら、この条項の有無と期間は事前に確認してください。

依頼できない業務がある ── 士業の独占業務

オンラインアシスタント各社は「人事・労務」「経理」を対応業務として挙げています。しかしその中には、資格者でなければ報酬を得て行えない業務が含まれます。ここは比較記事がほとんど触れていない領域です。

社会保険・労働保険の手続きは社労士法27条の独占業務

社会保険労務士法(昭和43年法律第89号)の構造は次のとおりです。

  • 2条1項1号:別表第一に掲げる労働・社会保険に関する法令に基づいて申請書等(申請書・届出書・報告書等)を作成すること
  • 2条1項1号の2:申請書等の提出に関する手続を代わってすること
  • 2条1項1号の3:申請・届出等について、行政機関等に対して代理すること(事務代理)
  • 2条1項2号:労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類を作成すること
  • 27条(業務の制限):「社会保険労務士又は社会保険労務士法人でない者は、他人の求めに応じ報酬を得て、第二条第一項第一号から第二号までに掲げる事務を業として行つてはならない」
  • 32条の2第1項6号:27条違反は1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金

27条にはただし書きがありますが、社会保険労務士法施行令2条が定める例外は公認会計士(および外国公認会計士)と税理士(税理士法人)が行う各法の業務に限られます。オンラインアシスタント事業者はこの例外に含まれません。

また別表第一の1号は労働基準法です。したがって、労働基準法108条に基づく賃金台帳、107条に基づく労働者名簿の作成は2号業務に当たります。一方で給与計算そのものは社労士の独占業務ではありません——計算という行為は誰が行ってもよく、独占の対象は「法令に基づく帳簿書類の作成」と「行政機関への申請書等の作成・提出代行」です。

業務 資格者以外への委託 根拠
勤怠データの集計、給与額の計算 独占業務に該当しない
賃金台帳・労働者名簿の作成 不可 社労士法2条1項2号・27条
社会保険・雇用保険の資格取得届等の作成 不可 社労士法2条1項1号・27条
年金事務所・ハローワークへの提出代行 不可 社労士法2条1項1号の2・27条
就業規則の作成 不可 社労士法2条1項2号・27条
記帳代行(仕訳入力、帳簿作成) 税理士の独占業務に該当しない
税務書類の作成、税務代理、税務相談 不可 税理士法2条1項・52条

実際、HELP YOUの労務サービスページには「勤怠管理、給与計算、社会保険手続き、入退社対応、年末調整サポート」と記載されています。またkubellパートナーは2026年5月に社労士事務所向けの「タクシタ for 社労士」の提供を開始しており、業界としては社労士との連携でこの制約に対応しているのが実態と見られます。

発注者としては、社労士の独占業務に触れる依頼をする場合、次の1文を見積依頼に入れておけば確認が取れます。

「社会保険・労働保険の届出書類の作成および提出代行、賃金台帳・労働者名簿の作成については、貴社で対応可能でしょうか。対応可能な場合、社会保険労務士または社会保険労務士法人による対応となるか、その体制をご教示ください。」

なお、これは事業者を疑うための質問ではありません。社労士法27条・32条の2は「その違反行為をした者」を罰するもので、実務上どこまで発注者が関与したかによって評価は変わり得ます。依頼の切り分けを明確にしておくことは、双方にとって安全側の対応です。経理まわりの委託範囲については経理代行の費用相場|料金を動かす4つの変数記帳代行の相場|同じ仕訳数で3倍開く理由もあわせてご覧ください。

パート採用・派遣と比べる ── 分岐点は月10時間前後

オンラインアシスタントの比較記事は、ほぼ例外なく「派遣やパートより安い」と書きます。ここも検算します。

月30時間ならそもそも社会保険料は発生しない

月30時間は週あたり約7時間です。この水準では、パートを直接雇用しても社会保険(健康保険・厚生年金)も雇用保険も適用対象外です(社会保険は週の所定労働時間が通常の労働者の4分の3以上、または特定適用事業所での週20時間以上等の要件、雇用保険は週20時間以上が原則)。したがって発生する法定福利費は労災保険料だけで、賃金の1%未満です。

「オンラインアシスタントなら社会保険料が浮く」という説明は、月30時間規模の比較では成立しません。浮くのはフルタイム雇用と比べたときの話です。

実効時給で比べると、量が少ないほどパートは不利になる

2026年8月時点で有効な地域別最低賃金(令和7年度)は東京都1,226円、全国加重平均1,121円です。これを基準に、パートを雇った場合の1時間あたりコストを積み上げます。

項目 置いた前提 月10時間 月30時間 月60時間
時給 東京都最低賃金 1,226円 1,226円 1,226円 1,226円
法定福利費 労災保険のみ(0.3%) 4円 4円 4円
採用コスト 求人費10万円 ÷ 在籍12ヶ月 833円 278円 139円
PC・ツール 年間10万円 ÷ 12ヶ月 833円 278円 139円
教育コスト 初月20時間分 ÷ 12ヶ月に按分 204円 68円 34円
管理工数 週1時間・管理者時給3,000円 1,300円 433円 217円
実効時給 4,400円 2,287円 1,759円
比較:オンラインアシスタント 時間単価2,444〜4,840円 上表参照

※採用コスト・PC費用・管理工数は仮定値です。自社の実績値に置き換えて計算してください。

この試算から言えることは1つです。採用コストとPC・ツール費用は稼働時間に比例しない固定費なので、依頼量が少ないほど1時間あたりに重くのしかかります。月10時間なら実効時給4,400円でオンラインアシスタントの最高値クラスと並び、月30時間なら2,287円で最安クラス(2,444円)を下回り、月60時間ではパートが明確に有利になります。

ただし、金額以外に3つの制約があります。

  • 週7時間の求人に応募が集まるか。月30時間の求人は募集条件として成立しにくく、上の表の「求人費10万円で1名採用」という前提自体が楽観的です。
  • 1人で複数職種はカバーできない。経理・秘書・SNS運用・デザインを1人に任せることは通常できません。オンラインアシスタントのチームプランは、この「職種のばらつき」を吸収する仕組みに対価を払っているものです。
  • 欠勤・退職のリスクが自社に残る。1名採用は稼働がゼロになる日が発生します。

「新卒より安い」という説明を検算する

フジ子さんの公式料金ページには、次の比較が掲げられています。

フジ子さんのアシスタントは幅広い分野の実務経験者のみにも関わらず、新卒社員を採用した場合の総額よりも低コスト。/※新卒社員1人あたりの全国平均時間単価(基本給+会社負担+通勤手当+PCコスト+採用コスト+教育コスト)・・・約 2,635円/時間(フジ子さん 料金プランページ)

同社が自ら置いた新卒の時間単価2,635円と、同社自身の時間単価を並べます。

プラン 月額(税別) 時間単価(税別) 時間単価(税込) 新卒2,635円との比較
PLAN20(20時間) 59,600円 2,980円 3,278円 税別でも上回る
PLAN30(30時間) 88,500円 2,950円 3,245円 税別でも上回る
PLAN50(50時間) 130,000円 2,600円 2,860円 税別なら下回る(税込では上回る)

時間単価で見ると、同社の3プランのうち2つは同社が引用する新卒社員の時間単価より高くなります。月額の総額が安く見えるのは、稼働時間が新卒社員(月160時間前後)の3分の1以下だからです。

これはフジ子さんに限った話ではなく、業界共通の説明の型です。「総額で安い」と「単価で安い」は別の主張であり、比較記事はほぼ前者しか書きません。自社が必要としているのが「安い時間」なのか「少ない時間」なのかを先に決めてから、どちらの物差しで比べるかを選んでください。内製と外注の総コスト比較の考え方は外注と内製化、どっちが安い?5年間コスト(TCO)比較で詳しく扱っています。

検索上位10件の運営者を調べた結果

最後に、この記事を書くにあたって参照した検索結果そのものについて記録しておきます。「オンラインアシスタント 比較」で上位に出る10件の運営者を調べた結果が次の表です(2026年8月2日時点)。

ドメイン 運営 オンラインアシスタント事業者か 自社の掲載順位
cone-c-slide.com 株式会社cone(BtoB資料ポータル) × —(13サービス掲載)
kigyolog.com 起業LOG SaaS × —(24選)
aspicjapan.org アスピック × —(15選)
cast-er.com 株式会社キャスター 30社中1位が自社
craudia-assistant.com 株式会社エムフロ 15社中1位が自社
emiris.net 株式会社エミリス 12社中1位はCraudia
help-you.me 株式会社ニット 15社中1位が自社
go.taxita.com 株式会社kubellパートナー (本文取得不可)
persol-bd.co.jp パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社 StepBase提供元
fujiko-san.com BPOテクノロジー株式会社 5社中1位が自社

10件中6件が、オンラインアシスタントを販売している会社自身が運営する記事でした。そして本文を確認できた4件は、いずれも自社サービスを1位に置いています。これは不正でも何でもなく、オウンドメディアとして当然の構成です。ただし読む側は、「1位=最も条件が良い」ではなく「1位=この記事の運営会社」である可能性を常に念頭に置く必要があります

関連して、「オンラインアシスタント」はBPOテクノロジー株式会社の登録商標です(フジ子さん公式サイトのフッターに明記)。他社の記事で「オンラインアシスタント®」と®付きで表記されているのはこのためです。

もう1点、掲載情報の鮮度についても記録しておきます。多くの比較記事が「Chatwork アシスタント(株式会社kubellパートナー)」として掲載していますが、同社は現在この事業を「Chatwork アシスタント(タクシタ)」の名称で展開しています(2026年6月29日の同社リリースの表記による)。運営会社名の誤りもあり、クラウディアの記事はi-STAFFの運営会社を「ファイブスターネット株式会社」としていますが、i-STAFF公式サイトの会社情報および利用規約では株式会社ビープラストです。

発注前チェックリスト

ここまでの内容を、見積依頼と契約前に確認する項目にまとめます。

料金(比較の土台をそろえる)

  • □ 提示された月額に含まれる月間稼働時間を確認したか
  • □ 月額 ÷ 時間で時間単価を出したか
  • □ 金額が税込か税別かを確認したか
  • □ 「期間限定」「キャンペーン」の表示がないか、あるなら適用期限はいつか
  • □ 比較記事の金額と公式料金ページが一致するか照合したか
  • □ 初期費用・導入支援費(コンシェルジュ料等)が別途かかるか
  • □ 自社が必要な時間数にちょうど合うプランがあるか

時間の扱い(実効単価を左右する)

  • □ 未消化時間は翌月に繰り越せるか。繰越の上限と有効期限は
  • □ 繰越に手数料はかかるか
  • 超過時の課金単位(1時間単位か、10時間単位の切り上げか)
  • □ 超過時の単価は通常単価と同じか(1.5倍等の割増はあるか)
  • □ 超過できる上限は何時間までか
  • □ 「◯時間」は実働時間か、事前見積時間か
  • □ 打ち合わせ・報告・引き継ぎの時間は稼働時間に含まれるか

契約期間(抜けられるかを先に決める)

  • □ 最低契約期間は何ヶ月か
  • 自動更新か。更新される期間は同一か
  • 解約予告期間は何日前までか(満了日をカレンダーに登録したか)
  • □ 中途解約は可能か。違約金または残額全額の支払いが必要か
  • □ トライアル・返金保証の有無と条件

体制と法務

  • □ 窓口はディレクターか、アシスタント個人か
  • □ 担当者の交代時に引き継ぎはどう行われるか(マニュアルは納品されるか)
  • □ 再委託の範囲。国外への委託はあるか。事前通知はあるか
  • □ 個人データの保管場所と、契約終了時の返却・消去方法
  • □ 生成AI・外部クラウドツールへの入力の有無と、その範囲
  • □ 漏えい時の通知期限(何時間以内に発注者へ連絡するか)
  • □ 損害賠償の上限額(過去何ヶ月分の支払額か)
  • □ スタッフとの直接契約禁止条項の有無と期間
  • □ 依頼予定の業務に士業の独占業務が含まれていないか(社会保険手続き・就業規則・税務書類)
  • □ 含まれる場合、社労士・税理士との連携体制はあるか
  • □ 個々のスタッフに直接指示しない運用にできているか(依頼は成果と期限の単位か)

よくある質問

Q. オンラインアシスタントとオンライン秘書は違いますか?

明確な定義の差はなく、事業者ごとに呼び分けているのが実態です。おおまかには、秘書業務(スケジュール調整・メール対応・出張手配)を中心に据えるものを「オンライン秘書」、経理・人事・Web運用まで含めた幅広い業務を扱うものを「オンラインアシスタント」と呼ぶ傾向があります。比較の際は名称ではなく「対応業務一覧」に自社の依頼内容が含まれているかで判断してください。

Q. 最低何時間から頼めますか?

公式料金ページで確認できた範囲では、公開プランの最小はタスカルの月10時間、次いでなげっぱの月12時間、フジ子さんの月20時間です。i-STAFF・CASTER BIZ・HELP YOUは月30時間からとなっています(HELP YOUのスポットプラン、各社のカスタマイズプランを除く)。「月◯時間から」はサービス選定の入口条件になるため、最初に確認すべき項目です。

Q. 使わなかった時間はどうなりますか?

サービスによります。i-STAFFは利用規約で繰越不可を明記しています。なげっぱは解約時に「翌々月末日をもって消滅」と定めており繰越の余地があります。フジ子さんは「翌月へ時間を繰り越せるプランもございます」としており、プランによる差があります。繰越の可否は料金表に書かれていないことが多いので、規約と見積書の両方で確認してください。

Q. アシスタントに直接、作業時間や手順を指示してもいいですか?

できません。i-STAFF・タスカルの利用規約はいずれも、発注者が業務遂行の場所・時間を指定または管理して拘束することや、業務遂行方法について業務委託に必要な限度を超えた依頼をすることを禁じています。これは37号告示(労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準)に沿った条項です。依頼は「何を、いつまでに、どういう成果で」の単位で行い、進め方と時間配分は受託側に委ねてください。

Q. 給与計算や社会保険の手続きは頼めますか?

給与額の計算そのものは社会保険労務士の独占業務ではないため委託できます。一方、社会保険・労働保険の届出書類の作成と提出代行、賃金台帳・労働者名簿・就業規則の作成は社労士法2条1項1号〜2号に当たり、同法27条により社労士・社労士法人以外は報酬を得て業として行えません(例外は施行令2条の公認会計士・税理士のみ)。依頼予定に含まれる場合は、事業者に社労士連携の体制を確認してください。

Q. 情報漏えいが起きたら補償されますか?

規約を確認した3社はいずれも賠償額に上限を設けており、i-STAFFとタスカルは過去12か月、なげっぱは過去6か月にユーザーが支払った額が上限です。逸失利益等の間接損害は免責とされています。賠償で回収する前提は置かず、渡すデータの範囲を絞る設計にしてください。なお、漏えいが起きた場合の個人情報保護委員会への報告義務と本人への通知義務(個人情報保護法26条)は、委託元である発注者に生じます。

Q. 比較サイトの料金表はそのまま使えますか?

今回照合した6社のうち3社で公式と食い違いがありました。候補を3社程度に絞る段階までは比較記事で十分ですが、予算を組む段階では必ず公式料金ページで確認してください。また、検索上位10件のうち6件はオンラインアシスタント事業者自身が運営する記事で、確認できた4件はすべて自社を1位に置いていました。

Q. 個人事業主でも利用できますか?

各社とも法人限定とはしておらず、個人事業主の利用実績を公表している事業者もあります。ただし最低契約時間が月10〜30時間、月額が2.75万〜13.2万円という水準なので、依頼量が月数時間程度であればクラウドソーシングでの単発発注のほうが合理的な場合があります。判断の目安は「毎月繰り返し発生する定型業務が月10時間以上あるか」です。

まとめ:3つの数字で比較する

「オンラインアシスタント 比較」に対する答えを、3つの数字に集約します。

  1. 時間単価(月額 ÷ 月間時間)。月額の横並びは価格差を2.7倍に水増しします。公式料金ページから拾った6社の時間単価は2,444円〜4,840円の1.80倍レンジに収まります。
  2. 実効時間単価((月額+超過料金)÷ 実際に使えた時間)。繰越不可のプランは消化率61.4%で最高値プランと並びます。超過が10時間単位の切り上げなら、区切りの直上で単価は1.82倍になります。
  3. 最短コミット総額(実質の最低契約期間 × 月額)。「1ヶ月から」でも解約予告と自動更新で2ヶ月分以上になることがあります。年間プランは満了日の管理まで含めて判断してください。

そのうえで、依頼予定の業務に士業の独占業務が混ざっていないかと、個々のスタッフに直接指示しない運用にできるかの2点を契約前に確認すれば、金額と法務の両面で判断材料はそろいます。

外注先を選ぶ一般的な判断基準は外注先の選び方|比較すべき7つの判断基準、契約書で押さえる条項は外注契約書の書き方【2026年最新版】、業務ごとの相場は外注費用の相場まとめ|業種別・作業種別に徹底解説にまとめています。関連する業務単位の費用相場は採用代行の費用相場営業代行の費用相場SNS運用代行の費用相場もあわせてご覧ください。トラブルが起きた場合の対応は外注先とのトラブルを弁護士に相談すべきタイミングで整理しています。

参照元

各社公式ページ(2026年8月2日確認)

比較記事(掲載価格の照合に使用)

法令・公的資料

  • 社会保険労務士法(昭和43年法律第89号)第2条・第27条・第32条の2・別表第一:e-Gov法令検索
  • 社会保険労務士法施行令(昭和43年政令第327号)第2条(業務の制限の解除):e-Gov法令検索
  • 税理士法(昭和26年法律第237号)第2条・第52条:e-Gov法令検索
  • 個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)第25条・第26条・第27条:e-Gov法令検索
  • 「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(昭和61年労働省告示第37号/最終改正 平成24年厚生労働省告示第518号):厚生労働省
  • 厚生労働省「令和7年度 地域別最低賃金 全国一覧」:https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001571192.pdf

※本記事の法令に関する記述は一次資料に基づく一般的な整理であり、個別の契約や依頼内容が該当するかどうかの判断ではありません。具体的な業務範囲の可否については、社会保険労務士・税理士・弁護士、または所轄の行政機関にご確認ください。料金・契約条件は各社の判断で改定されるため、発注前に必ず最新の公式情報をご確認ください。

ガイチュウ博士

私は「ガイチュウ博士」。
外注Baseで、依頼の判断をサポートするために設計された架空のナビゲーターです。

これまでに蓄積された多数の外注事例をもとに、「この依頼は進めるべきか」「一度止まるべきか」を整理する役割を担っています。
感覚ではなく、条件や状況、リスクを分解して判断するのが特徴です。

得意なのは、曖昧な状態の整理です。
「なんとなく不安」「進めていいかわからない」といった状態を、そのままにしません。
チェック項目として分解し、一つずつ確認できる形に整えます。

私は結論を急ぎません。
必要な情報が揃っていない場合は、そのまま進めることのリスクも含めてお伝えします。
判断は、材料が揃ってからで十分です。

外注は便利ですが、同時に判断の連続でもあります。
その判断を落ち着いて行うための補助として、ここにいます。

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