動画編集の外注相場|1本あたりの費用と単価の決まり方【発注仕様書テンプレート付き】

動画編集を外注しようとして相場を調べると、「1本3,000円」から「1本50万円」まで、桁が2つ違う金額が同じページに並んでいます。これは情報が矛盾しているのではなく、「動画編集」という言葉が指す作業範囲が発注ごとにまったく違うことが原因です。相場を金額だけで覚えても、自社の案件がどのレンジに入るのかは判断できません。

結論から言えば、素材の撮影が済んでいて編集だけを依頼する場合の相場は、クラウドソーシングで1本3,000〜15,000円、フリーランスで1本10,000〜50,000円、制作会社で1本30,000〜150,000円が中心帯です。企画・台本・撮影まで含めると10万円以上、企業のブランディング映像なら30万円以上が目安になります。

この記事では、クラウドソーシング運営会社が公表している発注相場という一次データを起点に、金額レンジの読み方、同じ尺でも単価が5倍変わる理由、見積もりを比較可能にする発注仕様書のテンプレート、そして2024年11月に施行されたフリーランス法への実務対応までを、発注者の視点で整理します。

目次

  1. 動画編集の外注相場【依頼先別・種類別の早見表】
  2. 一次データで見る相場:クラウドソーシング運営会社の公表値
  3. 作業範囲で4段階に分かれる価格帯
  4. 同じ10分の動画で単価が5倍変わる理由
  5. その単価で本当に回るのか——実効時給からの逆算
  6. 見積もりがバラつく原因は発注側にある【発注仕様書テンプレート】
  7. 単発・継続・月額定額制はどれが安いか
  8. 契約と支払いで必ず決める6項目(フリーランス法対応)
  9. 源泉徴収とインボイスの扱い
  10. 発注前チェックリスト
  11. FAQ:よくある質問と回答
  12. まとめ

動画編集の外注相場【依頼先別・種類別の早見表】

まず全体像です。撮影済みの素材を渡して編集だけを依頼するケースの相場を、動画の種類と依頼先別に整理しました。

作業種別クラウドソーシング相場フリーランス相場制作会社相場
YouTube動画編集(10分)3,000〜15,000円10,000〜50,000円30,000〜150,000円
ショート動画(60秒以内)1,000〜8,000円5,000〜30,000円20,000〜100,000円
プロモーション映像(3分)20,000〜80,000円50,000〜200,000円200,000〜1,000,000円
アニメーション動画30,000〜100,000円80,000〜300,000円200,000〜2,000,000円
出典:外注費用の相場まとめ(外注Base独自調査)

この表を読むときの注意点が3つあります。

  • 金額の対象は「完成後の尺」であることが多い:30分の素材を5分に編集する場合と、30分をそのまま整える場合では、後者のほうが高額になるのが一般的です。素材の総時間ではなく納品尺で見積もりが立つ点は、依頼前に必ず確認してください。
  • 下限値は「実績が浅い編集者」の価格帯:クラウドソーシングの下限は駆け出しの編集者が実績づくりで受注する価格です。品質・納期の安定性まで含めた実用ラインは、下限より一段上に置くのが現実的です。
  • サムネイル・字幕・縦型リサイズは別料金のことが多い:「動画編集1本◯円」の見積もりに含まれない付随作業が、後から積み上がるパターンが最も多い予算超過の原因です。

撮影や企画から丸ごと依頼したい場合は、相場の構造そのものが変わります。詳しくは動画制作を外注する費用相場と発注の流れを参照してください。

一次データで見る相場:クラウドソーシング運営会社の公表値

相場記事の多くは執筆者による推定値です。より確度の高い判断材料として、実際に発注が成立しているプラットフォームの運営会社が公表している発注相場を見ておきましょう。クラウドワークスは「クラウドワークス発注相場」として、カテゴリごとの報酬相場と納期目安を公開しています。

依頼業務例示された発注内容報酬相場納期目安
YouTube動画作成・編集YouTube用動画15分尺の編集(テロップ・素材カット・SE)8,000円〜/本5日程度
TikTok・ショート動画TikTok動画の撮影・文字入れ(カット・顔出しなし)3,000円〜/本3日程度
映像編集・映像制作企業紹介用ムービー(素材・絵コンテあり)120,000円〜/本30日前後
映像撮影商品宣伝用PRムービーの撮影(機材はお任せ)100,000円〜3日前後
声優・ナレーション1分程度のナレーション10,000円〜7日前後
シナリオ作成YouTube動画のシナリオ作成1円〜/文字7日前後
テープ起こしインタビュー60分間の文字起こし5,000円〜3日前後
出典:クラウドワークス発注相場(2026年8月時点の掲載内容)

この一覧には、実際に掲載された発注事例の報酬レンジも併記されています。YouTube動画編集の例では次のような幅がありました。

  • 教育系YouTube動画編集(経験者優遇・継続、単価UPあり):固定報酬制 5,000〜10,000円
  • 歴史系YouTubeの動画編集(1本8,000円〜・継続案件):固定報酬制 5,000〜10,000円
  • YouTubeアニメチャンネルの動画編集者募集:固定報酬制 100,000〜300,000円
  • YouTube投稿用サムネイル制作(1枚1,500円〜):固定報酬制 〜5,000円

ここから読み取れる実務上のポイントは2つです。

1つ目は、「テロップ・カット・SE込みで15分尺・8,000円〜/納期5日」が、クラウドソーシングにおける実務的な発注ラインだということ。1本3,000円台はショート動画や単純作業の水準で、10分超の横型動画をこの価格で依頼すると応募が集まりにくくなります。

2つ目は、同じ「YouTube動画編集」でもアニメーション主体になると10万〜30万円に跳ね上がること。作業のジャンルが変わった時点で、参照すべき相場そのものが別のものに切り替わります。

作業範囲で4段階に分かれる価格帯

もう一つの発注プラットフォームであるランサーズは、発注者向けノウハウで相場費用と作業範囲の対応を4段階に整理しています。金額から逆に「その予算で何を頼めるか」を判断できる形式です。

相場費用作業の範囲特徴
5,000〜3万円編集のみ編集者としての実績があまりない人などが担当することが多い
3〜10万円編集のみ、または編集+企画個人編集者などが担当することが多く、サービスの幅が広い
10万〜30万円編集+企画+撮影など動画の構成や撮影など、動画作成に必要なことを一括して依頼できる
30万円以上編集+企画+台本作成+撮影など企業への依頼がメインとなり、全てを委託できる
出典:ランサーズ「動画編集の相場価格はいくら?」(更新日2024年6月12日)

この4段階は、そのまま予算の決め方として使えます。手元にある素材と社内リソースを棚卸しして、どこから外に出すかを決めれば、狙うべき価格帯が自動的に決まります。

  • 撮影も台本も社内でできる → 5,000〜3万円のレンジ。編集者を継続で確保する運用に向く
  • 撮ることはできるが構成に自信がない → 3〜10万円のレンジ。企画から相談できる個人編集者が候補
  • 撮影する人も機材もない → 10万〜30万円のレンジ。制作会社かディレクター機能を持つチームへ
  • 会社の顔として長く使う映像 → 30万円以上。企画・台本から一貫して任せる前提で予算を組む

同じ10分の動画で単価が5倍変わる理由

「10分のYouTube動画編集」という同じ依頼文で、5,000円の見積もりと50,000円の見積もりが返ってくることは珍しくありません。差を生んでいるのは編集者の腕だけではなく、依頼文に書かれていない作業が誰の担当になっているかです。

動画編集を工程に分解すると、少なくとも次の項目に分かれます。「標準に含まれるか」の欄は、クラウドソーシングでの一般的な扱いです。

作業項目内容標準に含まれるか単価への影響
素材整理・同期複数カメラ・別録り音声の同期、不要テイクの仕分け含まれないことがある大(素材が多いほど時間を食う)
カット編集不要部分の除去、テンポ調整ほぼ含まれる基準工程
テロップ入れ字幕・強調テロップの配置とデザイン含まれるが「本数上限」付きが多い大(全文字起こし型は工数が跳ねる)
BGM・効果音選曲、音量バランス、ノイズ除去ほぼ含まれる
カラー補正色味・明るさの統一簡易補正のみ含まれることが多い中(グレーディングは別料金)
モーショングラフィックスロゴアニメ、図解アニメ、トランジション含まれないことが多い特大(1カットで数千〜数万円)
サムネイル制作クリック率を意識した静止画デザイン別料金が原則1枚1,500〜5,000円が目安
縦型リサイズ・切り出し横型本編からショート動画を派生させる別料金が原則1本あたり数千円
アップロード・入稿タイトル・概要欄・タグ設定、予約投稿含まれないことが多い小〜中(運用代行の領域)

この表の意味するところはシンプルです。5,000円の見積もりは「カット+テロップ数十本+BGM」だけを指しており、50,000円の見積もりは素材整理からモーション、サムネ、入稿まで含んでいる——差の大半は品質差ではなく範囲差です。

したがって相見積もりを取るときは、この9項目それぞれについて「依頼する/しない」を明示した状態で投げるのが唯一の正解です。項目を書かずに「10分のYouTube動画編集をお願いします」と投げた見積もりは、比較できない数字が並ぶだけになります。

なお、テロップは「1本あたりの上限本数」や「1テロップあたりの文字数上限」が設定されていることがあり、超過分が追加料金になるケースがあります。完成尺が長くなるほど作業量が増えて費用も上がるため、そもそも何分の動画にするかを先に決めておくこと自体がコスト管理です。

その単価で本当に回るのか——実効時給からの逆算

相場表を見て「一番安いところに出せば得」と考えると、たいてい失敗します。発注者が確認すべきなのは、提示した単価を受注者の作業時間で割った実効時給です。

クラウドワークスが例示する「YouTube用動画15分尺の編集(テロップ・素材カット・SE)/8,000円〜/納期5日程度」を基準に計算してみます。15分尺にテロップまで入れる作業を6時間で仕上げたとすると、実効時給は次のようになります。

提示単価(15分尺・テロップ込み)作業6時間の実効時給作業10時間の実効時給現実的な評価
3,000円500円300円継続受注は成立しにくい
5,000円約833円500円実績づくり目的の応募が中心
8,000円約1,333円800円プラットフォームの実務ライン
15,000円2,500円1,500円経験者を継続確保しやすい
30,000円5,000円3,000円企画・構成の相談も期待できる
※作業時間は編集内容によって大きく変動します。実効時給の考え方を示すための試算です。

実効時給が最低賃金水準を割り込む単価で発注すると、受注者側は「時間をかけないこと」で採算を合わせるしかなくなります。その結果として現れるのが、テロップの誤字、雑なカット、複数案件の掛け持ちによる納期遅延、そして音信不通です。安く発注したつもりが、差し戻しとディレクション工数で社内コストが膨らむ——これが動画外注で最も多い失敗パターンです。

価格を下げること自体が悪いのではなく、下げた分だけ作業範囲を削るのが正しい対応です。素材整理を社内で済ませる、テロップの本数上限を決める、サムネイルは内製する。範囲を削らずに金額だけ削ると、品質が削られます。この構造は安すぎる外注は危険――失敗を防ぐリスク管理と選び方で詳しく扱っています。時間単価そのものの考え方は外注の時間単価|職種別の相場と高い・安いの判断基準も参考になります。

見積もりがバラつく原因は発注側にある【発注仕様書テンプレート】

相見積もりの金額が3社で5倍違うとき、原因の多くは依頼文が曖昧だったことにあります。各社が「たぶんこういう意味だろう」と別々の前提を置いて計算するため、比較できない数字が返ってくるわけです。

次の項目を埋めて渡すだけで、返ってくる見積もりは比較可能になります。そのままコピーして使えるテキスト形式にしています。

【動画編集 発注仕様書】

■ 基本情報
用途・掲載先:(例:自社YouTubeチャンネル/採用サイト/Instagramリール)
本数:(例:月4本)
納品尺:(例:8〜12分)/ 素材の総時間:(例:60分)
初回納品希望日:
継続予定:あり/なし(ありの場合の想定期間:  )

■ 素材の状態
撮影:完了済み/未/一部
音声:カメラ内蔵マイク/別録りあり(同期作業の要否:要/不要)
カメラ台数:  台
提供形式・受け渡し方法:(例:MP4/Googleドライブ)
指定素材:ロゴ/BGM/フォント(有/無・支給元:  )

■ 依頼する作業(依頼するものに○)
( )素材整理・音声同期
( )カット編集
( )テロップ ※上限本数:  本/全文字起こし型:要・不要
( )BGM・効果音の選定と調整
( )カラー補正 ※簡易/グレーディング
( )モーショングラフィックス ※想定カット数:
( )サムネイル制作 ※枚数:
( )縦型ショートへの切り出し ※本数:
( )アップロード・概要欄設定

■ 品質の基準
参考動画URL:(トーンを合わせたい動画を1〜3本)
NG事項:(例:過度なSE、顔のズームアップ)
納品形式:(例:MP4 / H.264 / 1920×1080 / 30fps)
プロジェクトファイルの納品:要/不要

■ 進行と検収
修正回数:  回まで(超過時の単価:  円/回)
確認者:(社内の承認者名)
フィードバック方法:(例:Frame.io/Googleドキュメントにタイムコードで記載)

■ 契約・支払い
契約形態:業務委託(請負/準委任)
報酬:  円(税込・税抜の別を明記)
支払期日:納品物の受領日から  日以内(60日以内で設定)
著作権の扱い:譲渡する/利用許諾(利用範囲:媒体・期間・二次利用の可否)
秘密保持:NDA締結の要否

ポイントは「参考動画URL」と「修正回数」の2つです。参考動画は言葉で書いたどんな指示よりも認識のズレを潰します。修正回数は、決めておかないと「無制限に直してもらえる」と発注側が思い込み、受注側は3回目以降を持ち出しで対応することになり、関係が壊れる最大の原因になります。

同じ考え方をライティング領域に適用したものとして記事制作を外注する費用相場と品質管理の方法も用意しています。仕様書で品質を先に定義するという発想は、業務が変わっても共通です。納品後に揉める構造そのものについては外注で品質トラブルが起きる5つの根本原因を参照してください。

単発・継続・月額定額制はどれが安いか

動画編集の発注形態は、大きく3つに分かれます。

形態費用の考え方向いているケース注意点
単発(都度発注)1本ごとに見積もり年数本、内容が毎回異なる毎回ディレクション工数がかかる。単価は最も高くなりやすい
継続契約(同一の編集者)1本単価×本数。ボリューム割引の交渉余地あり月2〜10本、フォーマットが固定属人化しやすい。バックアップ要員の確保が課題
月額定額制(サブスク)月額固定。本数・作業量に上限あり本数が読める、継続的に運用する上限を使い切らないと割高。上限超過分の扱いを確認

月額定額制のサービスは公式に料金を明示しているものがあり、たとえば動画制作・編集のサブスクサービス「動画ホーダイ」(株式会社アビリブ)は月額4万円〜(税抜)と公表しています。

どの形態が安いかは、損益分岐本数を出せば機械的に判断できます。計算式は次のとおりです。

損益分岐本数 = 月額定額の料金 ÷ 都度発注したときの1本単価

例)月額40,000円のプラン/都度発注なら1本12,000円の場合
  40,000 ÷ 12,000 = 3.3本
  → 月4本以上を安定して出すなら定額制が有利
  → 月2本しか出ないなら都度発注のほうが安い

注意すべきは、定額制プランの「1本」の定義です。尺の上限、修正回数、対応できる編集の種類(モーションを含むか等)はサービスごとに異なります。契約前に、前章の発注仕様書と同じ粒度でプラン内容を突き合わせてください。

また、月2本程度の少量から始める場合でも、同じ編集者に継続で依頼するほうが実質コストは下がります。フォーマットとテンプレートが共有された2本目以降は、初回より作業時間が短くなるためです。継続発注を前提とした管理の型は外注管理とは|進捗・品質・納期・外注先選定まで全体像を完全解説にまとめています。

契約と支払いで必ず決める6項目(フリーランス法対応)

個人の動画編集者に発注する場合、2024年11月1日に施行されたフリーランス・事業者間取引適正化等法(正式名称:特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)の対象になります。業種や資本金の金額にかかわらず、幅広い発注者が対象です。

政府広報オンラインの解説によれば、発注事業者に求められる主な内容は次のとおりです。

  • 書面等による取引条件の明示:業務を委託した場合、直ちに「委託する業務の内容」「報酬の額」「支払期日」などの取引条件を明示する必要があります。明示は書面のほか、メールやSNSのメッセージでも可能とされています。
  • 報酬の支払期日:発注した物品等を受け取った日から数えて60日以内のできる限り短い期間内で支払期日を設定し、その期日内に支払うことが義務付けられています。
  • 再委託の場合の特例:他の事業者から受けた業務をフリーランスに再委託し、再委託である旨・元の事業者の名称・元の事業者から自社への支払期日をフリーランスに明示した場合は、元の事業者からの支払期日を起算点として30日以内で定めることができるとされています。

これを踏まえて、動画編集の発注で必ず文面に残しておきたいのが次の6項目です。

項目決めておく内容放置した場合に起きること
業務の内容前章の作業項目9つのうち、どこまでを含むか「これも入っていると思った」で追加請求・値引き交渉に発展
報酬の額税込・税抜の別、追加作業の単価請求段階で認識差。特に消費税分でもめる
支払期日納品物の受領日から60日以内(できる限り短く)法定義務への抵触リスク。継続取引の信頼低下
著作権の扱い譲渡か利用許諾か。利用媒体・期間・二次利用の可否他媒体への転用や広告利用の段階で使えないと判明する
修正回数と検収回数上限、超過単価、検収期間、合格基準無限修正か、逆に修正拒否か。どちらも起きる
秘密保持未公開素材・社内情報の取り扱い、NDAの要否公開前の商品情報や出演者の映像が流出する

とくに著作権の扱いは動画編集特有の落とし穴があります。編集者が使用したBGM・フォント・ストック素材のライセンスが、自社の利用範囲(広告出稿、テレビ放映、二次利用)をカバーしているとは限りません。「納品物の権利は譲渡」と書いてあっても、素材のライセンスまでは移らない点は明確にしておくべきです。使用素材の一覧とライセンス種別を納品物に含めてもらうよう仕様書に書いておくと、後の確認が楽になります。

契約書の具体的な条文例は外注契約書の書き方|必須7項目・記載例を、請負と準委任の違いや偽装請負のリスクは業務委託と外注の違いをわかりやすく解説を参照してください。個別の案件が法令上どう扱われるかの判断は、弁護士など専門家や公的な相談窓口に確認することをおすすめします。

源泉徴収とインボイスの扱い

個人の編集者に支払う場合、源泉徴収が必要かどうかを迷う担当者は多いはずです。

国税庁のタックスアンサー「No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは」では、居住者への支払で源泉徴収の対象となる代表例として、原稿料や講演料、弁護士等の特定資格者への報酬、モデルや外交員への報酬、映画・演劇その他芸能、テレビジョン放送等の出演等の報酬などが挙げられています。動画の編集作業そのものは、この代表例には列挙されていません。

ただし、実際の発注では次のような要素が混ざることがあり、判定は個別に行う必要があります。

  • ナレーションや出演を同じ相手に依頼している
  • サムネイルなどデザイン要素の制作が含まれている
  • 台本・シナリオの執筆を伴う

同ページも「詳細は源泉徴収のあらましをご確認ください」と案内しており、名目ではなく実態で判断される旨が注意事項に明記されています。自社の契約内容がどれに当たるかは、所轄の税務署または顧問税理士に確認してください。この記事の内容は一般的な整理であり、個別の税務判断を示すものではありません。

インボイス制度については、免税事業者の編集者へ発注する場合の仕入税額控除の扱いが実務上の論点になります。なお、報酬・料金等の額と消費税等の額が請求書等で明確に区分されている場合、源泉徴収の対象を報酬本体のみとして差し支えないという取扱いは、インボイス制度開始後も変更ないとされています。勘定科目や仕訳の実務は外注費とは?勘定科目・仕訳をわかりやすく解説にまとめています。

発注前チェックリスト

ここまでの内容を、発注直前に確認する形式にまとめました。

  • □ 完成尺を決めた(素材の長さではなく納品尺で見積もりが立つため)
  • □ 作業項目9つについて、依頼する/しないを明示した
  • □ 参考動画URLを1〜3本用意した
  • □ テロップの上限本数、または全文字起こし型かを指定した
  • □ サムネイル・縦型切り出し・入稿代行の要否と単価を確認した
  • □ 修正回数の上限と、超過時の単価を決めた
  • □ 納品形式(コーデック・解像度・フレームレート)とプロジェクトファイルの要否を指定した
  • □ 提示単価の実効時給を試算し、極端に低くないか確認した
  • □ 支払期日を受領日から60日以内で設定した
  • □ 著作権の譲渡/利用許諾の別と、利用範囲を文面に残した
  • □ 使用BGM・フォント・ストック素材のライセンス確認方法を決めた
  • □ 取引条件を書面またはメール等で明示した
  • □ 継続前提なら、単価改定のタイミングを事前に共有した

依頼先そのものの比較軸は外注先の選び方|比較すべき7つの判断基準、動画編集者との相性の見極めは動画編集外注の相性を決める5つのポイントと選定手順が参考になります。

FAQ:よくある質問と回答

Q. YouTube動画1本の編集を頼むなら、いくら出せば妥当ですか?

撮影済み素材のカット・テロップ・SEまでを10〜15分尺で依頼する場合、クラウドソーシングなら8,000円前後が実務ラインです。クラウドワークスの公表値でも「YouTube用動画15分尺の編集(テロップ・素材カット・SE)」が8,000円〜/本、納期目安5日程度とされています。継続案件で経験者を安定確保したいなら、15,000〜30,000円のレンジを見ておくと選択肢が広がります。

Q. ショート動画(TikTok・リール)はいくらですか?

クラウドソーシング相場で1本1,000〜8,000円、フリーランスで5,000〜30,000円が目安です。クラウドワークスの公表値では「TikTok動画の撮影・文字入れ(カット・顔出しなし)」が3,000円〜/本、納期3日程度とされています。横型の本編から切り出す形にすると1本あたりのコストを下げられますが、切り出し作業は別料金になるのが原則です。

Q. 制作会社とフリーランス、どちらに頼むべきですか?

企画・撮影・台本まで一括で任せたい、あるいは複数人体制で納期を担保したい場合は制作会社が向きます。料金やサービス範囲が明文化されているため見積もりの予見性が高い一方、費用は高くなりやすいのが特徴です。編集だけをスポットで依頼したい、直接やり取りして細かい要望を反映したい場合はフリーランスが向きます。判断軸は外注先の選び方を参照してください。

Q. 見積もりが3社でバラバラです。何を基準に選べばいいですか?

金額を比べる前に、各社の見積もりが同じ作業範囲を指しているかを確認してください。バラつきの主因は品質差ではなく、素材整理・テロップ本数・モーション・サムネイル・入稿代行のどこまでを含むかの違いです。本記事の発注仕様書テンプレートを埋めて再提出してもらうと、比較できる形になります。

Q. 相場より大幅に安い提案が来ました。依頼して問題ないですか?

まず実効時給を試算してください。15分尺・テロップ込みで3,000円なら、作業6時間として時給500円です。この水準では作業時間を削ることでしか採算が合わず、品質低下・納期遅延・連絡途絶のリスクが上がります。安く抑えたい場合は単価を叩くのではなく、素材整理を社内で行う、テロップ本数の上限を決めるなど作業範囲を削るほうが確実です。

Q. 修正回数は何回に設定するのが一般的ですか?

2〜3回に設定し、超過分の単価を先に決めておく形が扱いやすい設計です。重要なのは回数そのものより、「1回の修正とは何を指すか」を定義することです。タイムコード付きでまとめて提出したフィードバック一式を1回と数える、と決めておくと、小出しの指示による無限修正を防げます。

Q. 月額定額制のサービスは本当に安くなりますか?

損益分岐本数を計算すれば判断できます。月額料金 ÷ 都度発注時の1本単価で求めた本数を、毎月安定して発注できるかどうかが基準です。月額4万円のプランで都度発注なら1本12,000円という条件なら、分岐点は約3.3本。月4本以上出せるなら定額制が有利ですが、繁閑の差が大きく月0本の月がある運用では割高になります。

まとめ

  • 編集のみを依頼する場合の相場は、クラウドソーシングで1本3,000〜15,000円、フリーランスで10,000〜50,000円、制作会社で30,000〜150,000円が中心帯
  • クラウドワークスの公表値では、YouTube用15分尺の編集(テロップ・カット・SE)が8,000円〜/本・納期5日程度。ここが実務的な発注ライン
  • 価格帯は「編集のみ(5,000〜3万円)」「編集+企画(3〜10万円)」「+撮影(10万〜30万円)」「+台本まで一括(30万円以上)」の4段階で捉える
  • 同じ尺で単価が5倍違う主因は品質差ではなく作業範囲差。9つの作業項目について依頼可否を明示すれば、見積もりは比較可能になる
  • 提示単価は実効時給で検算する。範囲を削らずに金額だけ削ると、削られるのは品質と納期
  • 個人へ発注する場合はフリーランス法の対象。取引条件を書面等で直ちに明示し、支払期日は受領日から60日以内に設定する
  • 源泉徴収の要否は契約の実態で判断される。動画編集作業そのものは国税庁が挙げる代表例に列挙されていないが、個別の判断は税務署や税理士に確認する

他業務の外注相場とあわせて予算を組む場合は、外注費用の相場まとめ|業種別・作業種別に徹底解説から各業務の相場を確認できます。

参考資料

ガイチュウ博士

私は「ガイチュウ博士」。
外注Baseで、依頼の判断をサポートするために設計された架空のナビゲーターです。

これまでに蓄積された多数の外注事例をもとに、「この依頼は進めるべきか」「一度止まるべきか」を整理する役割を担っています。
感覚ではなく、条件や状況、リスクを分解して判断するのが特徴です。

得意なのは、曖昧な状態の整理です。
「なんとなく不安」「進めていいかわからない」といった状態を、そのままにしません。
チェック項目として分解し、一つずつ確認できる形に整えます。

私は結論を急ぎません。
必要な情報が揃っていない場合は、そのまま進めることのリスクも含めてお伝えします。
判断は、材料が揃ってからで十分です。

外注は便利ですが、同時に判断の連続でもあります。
その判断を落ち着いて行うための補助として、ここにいます。

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業種・業務別外注相場・費用の実態

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