採用代行の費用相場|中央値は月43万円・年239万円と検算方法

「採用代行の費用相場は月10万〜20万円」——検索するとほぼ全ての記事がこの数字を出します。しかしその出典である342人調査の生の度数分布を自分で集計し直すと、中央値は月43万円、平均は月85万円でした。10万〜20万円は「最も回答が多かった帯」であって、真ん中の企業が払っている額ではありません。

この記事では、公開されている調査データと比較メディアの料金一覧、そして事業者の公式料金表を突き合わせて、相場という言葉が何を指しているのかを分解し、自社の見積もりが妥当かどうかを自分で検算できる形まで落とし込みます。あわせて、採用代行に特有の法務論点——発注者側が罰則の対象になり得る職業安定法上のポイント——も一次資料で確認します。

  1. 結論:相場は「月10万〜20万円」ではなく、中央値で月43万円・年239万円
  2. 「相場は月10万〜20万円」がズレる理由——最多層と中央値は別物
    1. 月額費用の分布(n=325)
    2. 初期費用の分布(n=328)——「初期費用0円」は6.1%しかない
    3. この調査を使うときの限界
  3. 年額で見る:稼働は年5.35か月、中央値ケースで年239万円
    1. 年間稼働期間の分布(n=334)
    2. 年額の計算式
  4. 公開料金の中央値は19.75万円——「〜」の右側が見えていない
    1. 比較メディアの一覧表を自分で集計する
    2. 公開料金の中央値と、実際の支払額の中央値は2.19倍ずれる
    3. 同じサービスの月額が、媒体によって2倍違う
  5. 唯一の共通尺度は「稼働時間あたり単価」
    1. 月額中央値43.3万円を時間換算すると
  6. 料金体系3つと、それぞれが有利になる条件
    1. 1. 月額固定型
    2. 2. 従量課金型
    3. 工程単価を積み上げて、月額の妥当性を検算する
    4. 3. 成果報酬型
    5. 見落としやすい追加費用
  7. 人材紹介と採用代行の損益分岐点を数式で出す
    1. 年収別の早見表
    2. 「年収の30〜35%」は法定上限ではない——上限制手数料と届出制手数料
  8. 契約前に確認すべき法務論点——発注者側が罰則の対象になり得る
    1. 論点1:委託募集——報酬を払って「募集」を委託するには厚生労働大臣の許可が必要
    2. 論点2:職業紹介との線引き——「選考の代行」は職業紹介に当たり得る
    3. 論点3:許可の有無は公的サイトで確認できる
    4. 論点4:応募者の個人情報
    5. 論点5:常駐型は偽装請負のリスクがある
  9. 見積もりを検算する5つの質問
  10. 費用対効果の見方——採用単価は「総額÷採用人数」で出す
  11. 依頼前チェックリスト
    1. 採用計画(見積もりを取る前に確定させる)
    2. 業務範囲(どこまで任せ、どこから自社でやるか)
    3. 契約条件
    4. 法務・情報管理
  12. よくある質問
    1. Q. 結局、採用代行の費用相場はいくらと考えればよいですか?
    2. Q. 月額10万円台のサービスでは足りませんか?
    3. Q. 初期費用0円のサービスを選べば安く済みますか?
    4. Q. 採用代行と人材紹介はどちらが安いですか?
    5. Q. 求人媒体の掲載費は採用代行の費用に含まれますか?
    6. Q. 採用代行に書類選考まで任せて問題ありませんか?
    7. Q. 契約期間はどのくらいが一般的ですか?
    8. Q. 成果報酬型のほうが損をしにくいのでは?
  13. まとめ
  14. 参照元

結論:相場は「月10万〜20万円」ではなく、中央値で月43万円・年239万円

先に結論を4行で示します。根拠は本文で1つずつ検算します。

  • 月額の中央値は約43万円(n=325・線形補間)。よく引用される「月10万〜20万円」は18.8%しかいない最多層で、20万円以上を払っている企業が62.8%を占めます。
  • 初期費用の中央値は約23万円(n=328)。初期費用0円は6.1%しかありません。
  • 年間の稼働は中央値5か月・平均5.35か月。したがって年額の中央値は約239万円(初期23万+月43万×5か月)です。月額だけで比べると年額を見誤ります。
  • 人材紹介との損益分岐点は「理論年収600万円で1名」。年239万円のRPOは、理論年収600万円・手数料35%なら1.14名で人材紹介と並び、年収300万円台なら3名採らないと元が取れません。

以下、この4つを順に検算していきます。

「相場は月10万〜20万円」がズレる理由——最多層と中央値は別物

採用代行の費用相場として最も広く引用されているのが、スマートキャンプ株式会社がBOXIL上で公開している342人調査です(BOXIL Magazine「採用代行(RPO)の費用相場」/インターネット調査・全国・回答期間2025年11月25日〜12月2日)。この調査は選択肢ごとの回答人数を表で公開しているため、掲載されている要約だけでなく、分布そのものを読み直すことができます。

月額費用の分布(n=325)

月額費用 回答数 割合 累積割合
5万円未満 15 4.6% 4.6%
5万円〜10万円未満 45 13.8% 18.5%
10万円〜20万円未満 61 18.8%(最多) 37.2%
20万円〜40万円未満 34 10.5% 47.7%
40万円〜60万円未満 46 14.2% 61.8%(ここで50%を超える=中央値の帯)
60万円〜80万円未満 28 8.6% 70.5%
80万円〜100万円未満 31 9.5% 80.0%
100万円〜150万円未満 17 5.2% 85.2%
150万円〜200万円未満 11 3.4% 88.6%
200万円〜300万円未満 11 3.4% 92.0%
300万円〜500万円未満 17 5.2% 97.2%
500万円以上 9 2.8% 100%

この表から読み取れることは3つあります。

1つ目。10万円〜20万円未満は「最も回答が多かった帯」であって、多数派ではありません。18.8%、つまり5社に1社弱です。20万円未満に収まっているのは累積で37.2%にすぎず、残る62.8%は月20万円以上を払っています

2つ目。中央値は40万円〜60万円未満の帯にあります。累積割合が50%を超えるのはこの帯です。帯の中で線形補間すると約43.3万円。実はBOXIL自身も本文中で「月額費用は『10万円〜20万円未満』が最多層で、中央値は40万円〜60万円未満」と明記しています。つまり中央値は公開されているのに、記事タイトルと見出しが最多層の数字になっているため、そこを引用した二次記事が「相場=月10万〜20万円」として拡散しているという構図です。

3つ目。分布は右に大きく裾を引いています。階級値(各帯の中央、最上位は500万円のまま下駄を履かせず)で平均を出すと約84.5万円。中央値43.3万円の約2倍です。100万円以上を払っている企業が15%近くいて、この層が平均を押し上げています。逆に言えば、平均値を相場として使うと、中小企業の実感からは大きく外れます

初期費用の分布(n=328)——「初期費用0円」は6.1%しかない

初期費用 回答数 割合 累積割合
0円 20 6.1% 6.1%
1円〜5万円未満 26 7.9% 14.0%
5万円〜10万円未満 58 17.7%(最多) 31.7%
10万円〜20万円未満 54 16.5% 48.2%
20万円〜40万円未満 47 14.3% 62.5%(中央値の帯)
40万円〜60万円未満 25 7.6% 70.1%
60万円〜80万円未満 11 3.4% 73.5%
80万円〜100万円未満 25 7.6% 81.1%
100万円〜150万円未満 14 4.3% 85.4%
150万円〜200万円未満 15 4.6% 89.9%
200万円〜300万円未満 12 3.7% 93.6%
300万円〜500万円未満 13 4.0% 97.6%
500万円以上 8 2.4% 100%

中央値は20万円〜40万円未満の帯(線形補間で約22.6万円)、平均は約71.9万円です。

ここで発注者が押さえるべきなのは「初期費用0円」は6.1%しかないという点です。比較サイトで「初期費用0円」を掲げるサービスは目立ちますが、実際に0円で導入できた企業は20社に1社強。初期費用は原則かかるものとして予算を組み、0円をうたうサービスについては「何が0円で、何が月額に振り替わっているのか」を確認するのが実務的です。

この調査を使うときの限界

数字を扱う以上、限界も書いておきます。この調査は導入担当者の自己申告によるインターネット調査であり、支払額の定義(税込/税抜、媒体費や広告費を含むか)は統一されていません。また、BOXIL側の注記に調査対象の記述の揺れが見られる箇所があります。したがってこの数字は「桁と分布の形」を掴むためのものであり、1万円単位の精度を持つものではありません。それでも、「最多層と中央値が2倍以上ずれている」という構造は、多少の誤差では覆りません。

年額で見る:稼働は年5.35か月、中央値ケースで年239万円

採用代行の費用を「月額いくら」で比べると、ほぼ確実に予算を見誤ります。理由は採用代行は通年で使うサービスではないからです。

年間稼働期間の分布(n=334)

年間の稼働期間 回答数 割合
1か月 15 4.5%
2か月 27 8.1%
3か月 69 20.7%(最多)
4か月 52 15.6%
5か月 29 8.7%
6か月 55 16.5%
7か月 13 3.9%
8か月 18 5.4%
9か月 15 4.5%
10か月 16 4.8%
11か月 2 0.6%
12か月 23 6.9%

最多は3か月(20.7%)、次いで6か月(16.5%)。中央値5か月、平均5.35か月、6か月以下が74.0%です。通年(12か月)で使っている企業は6.9%しかいません。

年額の計算式

したがって、採用代行の予算は次の式で立てます。

年間総額 = 初期費用 +(月額 × 実際に稼働する月数)+ 従量オプション + 媒体費・広告費(実費)

中央値ケースを当てはめると次のようになります。

稼働月数 計算 年間総額
3か月(最多) 23万 + 43万×3 約152万円
5か月(中央値) 23万 + 43万×5 約239万円
6か月 23万 + 43万×6 約282万円
12か月(通年) 23万 + 43万×12 約542万円

ここで重要なのは、初期費用は稼働月数で割れば割るほど1か月あたりの負担が重くなるという点です。3か月稼働なら初期23万円は月あたり7.7万円の上乗せ、12か月なら1.9万円。短期スポットで使うほど、初期費用の重みが効いてきます。「3か月だけ試したい」というときこそ、初期費用の有無と金額を最初に確認してください。

なお、この年間総額に求人媒体の掲載費やスカウト媒体の利用料は含まれません。これらは通常、発注者の実費負担です。この点は後述します。

公開料金の中央値は19.75万円——「〜」の右側が見えていない

次に、実際に金額を公開しているサービスの料金を集計します。ここでも、比較記事が掲げる相場帯ではなく、一覧表に載っている実数を自分で並べ直します

比較メディアの一覧表を自分で集計する

前掲のBOXILは、26サービスの費用比較表を掲載しています。この表を集計すると次のようになります。

  • 掲載25行のうち、月額を金額で開示しているのは14社。11社(44%)が「要問い合わせ」
  • 開示14社の月額:29,800円/100,000円×3/120,000円/180,000円/195,000円/200,000円×2/300,000円×3/320,000円/600,000円
  • 中央値197,500円、最小29,800円、最大600,000円で20.1倍の開き
  • 20万円以下が9社/14社=64%、10万円以下は4社/14社

もう一つ、マルゴト株式会社が公開している「料金が公開されている採用代行サービス10社の料金比較」も同様に並べ直します。

  • 70,000円/100,000円/114,000円/150,000円/250,000円×2/390,000円/400,000円×2/550,000円
  • 中央値250,000円、最小70,000円、最大550,000円で7.9倍の開き

公開料金の中央値と、実際の支払額の中央値は2.19倍ずれる

ここで2つの数字を並べてみます。

データ 中央値 意味
比較表の公開料金(14社) 約19.75万円 各社が公開している最安プランの下限
342人調査の実支払額(n=325) 約43.3万円 実際に導入した企業が払っている額

その差、2.19倍。調査の平均84.5万円と比べれば4.28倍です。

なぜこうなるのか。理由ははっきりしています。比較表に載っている金額はほぼ全てが「◯◯円〜」という下限表記だからです。「月額100,000円〜」は「100,000円で始められる最小プランがある」という意味であって、「100,000円で採用業務を任せられる」という意味ではありません。相場を調べるときに見るべきは「〜」の左側ではなく、右側にあるはずの金額ですが、それは公開されていません。

同じサービスの月額が、媒体によって2倍違う

この「下限表記」の危うさは、同じサービスを複数の比較記事で追うとはっきりします。

サービス BOXILの比較表 マルゴトの比較表
CASTER BIZ recruiting 195,000円(税別) 月額40万円〜
アールナイン 200,000円(税別)〜 ※「人事ライト」 月額40万円〜
ネオキャリア 100,000円〜 月額25万円〜 ※スカウト代行

同じサービス名で2倍前後の差が出ています。ではどちらかが間違っているのか——そうではありません。公式サイトを見ると、そもそも「1つの月額」が存在しないからです。

CASTER BIZ recruitingの公式料金ページには、こう書かれています。「月のご利用時間は30時間、70時間、90時間と必要な時間数に応じてご利用可能です」。実際のプラン表示は30時間/月、50時間/月、70時間/月、90時間/月の4段階で、金額自体は公開されていません。つまり比較表の「195,000円」と「40万円〜」は、おそらく違う稼働時間のプランを指しています。比較表は「どのプランか」という前提を落として金額だけを並べているため、同じサービスが2倍違って見えるわけです。

公式料金が明示されている例も見ておきます。マルゴト株式会社の公式サイトでは「まるごと人事ライト 月額25万円(税別)/初期費用10万円(税別)」と明記され、上位の「まるごと人事」は「お見積り」となっています。比較記事が「月額25万円〜」と書くとき、その「〜」の上は非公開のままです。

実務上の結論:比較表の月額は、サービス選定の一次スクリーニングには使えても、予算策定には使えません。予算を立てるなら、後述する「稼働時間あたり単価」に換算するか、実際に複数社から同一条件で見積もりを取るしかありません。

唯一の共通尺度は「稼働時間あたり単価」

サービスごとに業務範囲がバラバラな採用代行を横並びで比べる方法は、実質的に1つしかありません。月額を稼働時間で割ることです。

月額中央値43.3万円を時間換算すると

月間稼働時間 時間単価 目安
20時間 21,650円/時間 コンサルティング領域の単価
30時間 14,433円/時間 戦略設計中心
50時間 8,660円/時間 設計+一部実務
70時間 6,186円/時間 実務中心
90時間 4,811円/時間 実務フル稼働
160時間(フルタイム相当) 2,706円/時間 ——

比較の基準として、個人へ直接委託した場合の相場を置いてみます。クラウドワークスの発注相場ページでは、オンライン秘書業務(応募者管理や問い合わせ対応を含む)が1,200円〜/時間、時間単価制の実際の募集案件で1,000円〜2,000円/時間、データ入力系が1,000円〜1,500円/時間となっています。

ここから読み取れることは明確です。

  • 時間単価5,000円前後(月90時間相当)は、実務代行としては妥当な水準。個人相場の3〜4倍ですが、チーム体制・代替要員・ノウハウ・管理コストを含めた法人価格として説明がつきます。
  • 時間単価1万円を超える場合、買っているのは作業時間ではなく設計・判断です。その前提でスコープを見ると、「戦略設計を頼んでいないのに時間単価が1万円を超えている」見積もりは説明を求めるべきです。
  • 逆に、月10万円という金額は「フルタイムの担当者1人分」ではありません。仮に月10万円で90時間稼働すれば時間単価1,111円で、これは個人のオンライン秘書相場の下限です。月10万円のプランは、稼働時間が短いか、業務が限定されているかのどちらかだと考えるのが自然です。

見積もりに月間稼働時間(または対応可能な工数の上限)が書かれていない場合、その見積もりは他社と比較できません。これは値切るための質問ではなく、比較可能にするための質問です。

料金体系3つと、それぞれが有利になる条件

342人調査では料金形態も聞かれています(n=336・複数選択可)。

料金形態 回答数
月額固定(時間固定含む) 217
従量課金(スカウト1通◯円、面接1件◯円など) 216
成果報酬(内定者の想定年収◯%) 104

月額固定と従量課金がほぼ同数で、複数選択可であることを踏まえると、多くの企業が「月額固定+従量オプション」の組み合わせで契約していると読めます。成果報酬は3割弱で、採用代行の主流ではありません。

1. 月額固定型

毎月定額で契約範囲内の業務を委託する形式です。金額が読めるので予算化しやすい一方、成果と支払いが連動しません。

この型で確認すべきは次の3点です。

  • 月間の稼働時間または対応件数の上限(超過時の単価も含む)
  • 最低契約期間(3か月〜6か月が一般的。稼働中央値5か月と整合します)
  • 中途解約の条件(採用が早期に決まった場合、残期間の支払い義務が残るか)

特に3つ目は見落とされがちです。採用がうまくいって早期に終了した場合に、契約期間分を払い切る必要があるなら、それは「実質的な成果報酬の裏返し」として総額に織り込むべきです。

2. 従量課金型

作業単位で課金される形式です。公開されている工程単価を集めると次のようになります(出典は各社・各比較記事、いずれも下限表記を含みます)。

工程 単価の目安 出典・備考
スカウト・DM送信 1通150円〜/1通1,000〜2,000円 前者はマイナビの例(BOXIL掲載)、後者はマルゴト掲載。桁が1つ違うのは「送信のみ」か「文面作成・ターゲット選定込み」かの差
媒体管理・運用 月5万〜20万円 マルゴト掲載
応募者対応(日程調整・合否連絡) 月2万〜10万円/5万円〜 マルゴト掲載/ネオキャリアの例(BOXIL掲載)
書類選考・スクリーニング 1件1,000〜5,000円 マルゴト掲載
面接代行 1回8,000〜15,000円/1回1万円〜 マルゴト掲載/アールナインの例(BOXIL掲載)
面接設計・面接官トレーニング 30万〜50万円 初期設計のみ・マルゴト掲載
内定者フォロー・入社手続き 1件5,000〜10,000円 マルゴト掲載
採用ピッチ資料作成 25万〜80万円 マルゴト掲載
採用広報記事 5万〜20万円/1件8万円〜 マルゴト掲載/bサーチの例(BOXIL掲載)
エージェントマネジメント 10万〜20万円 マルゴト掲載
採用計画立案・要件定義 30万〜50万円 初月のみ・マルゴト掲載

工程単価を積み上げて、月額の妥当性を検算する

この単価表があれば、月額固定の見積もりが妥当かどうかを自分で検算できます。中規模の中途採用を1か月分、実務ベースで積んでみます。

工程 数量 金額(下限〜上限)
スカウト送信 200通 200,000〜400,000円
書類選考 100件 100,000〜500,000円
一次面接代行 10件 80,000〜150,000円
応募者対応(日程調整・合否連絡) 一式 20,000〜100,000円
内定者フォロー 3件 15,000〜30,000円
媒体管理 一式 50,000〜200,000円
合計 465,000〜1,380,000円

この積み上げに対して、月額中央値の43.3万円は下限46.5万円をわずかに下回ります。つまり——

月43万円は「中規模の採用活動をフルスコープで回す価格」ではありません。どこかを絞っている価格です。実際には「スカウトは自社、書類選考も自社、日程調整と面接代行だけ委託」といった形で工程を絞るか、数量を落とすことで成立しています。

逆に言えば、「月30万円でスカウトも書類選考も面接も全部やります」という見積もりが来たら、各工程の数量上限を必ず確認してください。単価表と数量が合わないなら、どこかに上限が設定されているはずです。

3. 成果報酬型

採用決定時にのみ費用が発生する形式で、相場は理論年収の20%〜35%とされます(BOXILの料金モデル表では「年収の約15%〜」、複数の比較記事では20%〜35%)。金額にすると1名あたり60万〜120万円程度という記載が多く見られます。

成果報酬型を検討する場合、単価より先に「成果」の定義を確認してください。採用代行における成果は、事業者によって次のいずれにも設定され得ます。

  • 内定承諾時点
  • 入社時点
  • 入社後◯か月の在籍時点

あわせて早期退職時の返金規定(何か月以内なら何%返金か)を確認します。同じ「年収30%」でも、入社時点で全額発生・返金なしと、3か月在籍後に発生では、発注者のリスクがまったく違います。

見落としやすい追加費用

最後に、月額にも従量にも含まれないことが多い費用です。

  • 求人媒体の掲載費・スカウト媒体の利用料——原則、発注者の実費負担。これが最大の見落としです
  • 人材紹介会社への紹介手数料——エージェント経由の採用分は別途
  • 説明会・イベント運営代行
  • 採用サイト・採用動画・採用ピッチ資料などのクリエイティブ制作
  • 適性検査・リファレンスチェックの実費

「採用代行の月額」と「採用にかかる総額」は別物です。媒体費を含めた総額で、後述する採用単価を計算してください。

人材紹介と採用代行の損益分岐点を数式で出す

「採用代行と人材紹介、どちらが安いのか」は、この検索キーワードの裏にある最も実務的な問いです。これは1本の式で答えが出ます

損益分岐点の採用人数 = 採用代行の年間総額 ÷(理論年収 × 紹介手数料率)

この人数を超えて採用するなら採用代行が安く、下回るなら人材紹介が安い、という単純な関係です。

年収別の早見表

採用代行の年間総額を中央値ケースの239万円(初期23万円+月43万円×5か月)、紹介手数料率を35%として計算します。

理論年収 紹介手数料(1名) 損益分岐点 判断
300万円 105万円 2.28名 3名以上採るなら採用代行
400万円 140万円 1.71名 2名以上採るなら採用代行
500万円 175万円 1.37名 2名以上採るなら採用代行
600万円 210万円 1.14名 ほぼ1名で並ぶ
800万円 280万円 0.85名 1名でも採用代行が安い
1,000万円 350万円 0.68名 1名でも採用代行が安い

ここから導ける判断基準は明快です。

  • 理論年収が高いほど、採用代行が有利になります。紹介手数料は年収に比例して増えますが、採用代行の費用は年収にほとんど連動しないためです(実際には難易度に応じて上がりますが、比例はしません)。
  • 年収600万円が分水嶺。これを超えると、1名の採用でも採用代行が人材紹介と並ぶか安くなります。
  • 年収300万円台を1〜2名だけ採るなら、人材紹介のほうが安く済みます。この場合、採用代行を選ぶ理由はコストではなく「工数削減」や「採用ノウハウの内製化」に置くべきで、費用対効果をコストだけで説明すると失敗します。

契約規模を変えた場合も見ておきます。

採用代行の使い方 年間総額 理論年収500万×35%(175万円/名)での分岐点
小さめ(初期10万+月20万×5か月) 110万円 0.63名 → 1名でも採用代行が安い
中央値(初期23万+月43万×5か月) 239万円 1.37名 → 2名以上で採用代行が安い
通年(初期23万+月43万×12か月) 542万円 3.10名 → 4名以上で採用代行が安い

この表の使い方:まず自社の採用計画(人数・年収)を決め、そこから逆算して「いくらまでなら採用代行に払えるか」を先に出してください。見積もりを取ってから判断するのではなく、上限を決めてから見積もりを取る。順番が逆になると、提示された金額が高いのか安いのか判断できません。

「年収の30〜35%」は法定上限ではない——上限制手数料と届出制手数料

ここで一つ、多くの記事が触れていない論点を補足します。人材紹介の「理論年収の30〜35%」という手数料は、法律で決められた上限ではありません。

職業安定法第32条の3第1項は、有料職業紹介事業者が徴収できる手数料を2種類に分けています。

  • 第1号:上限制手数料——厚生労働省令で種類と額が定められたもの
  • 第2号:届出制手数料——あらかじめ厚生労働大臣に届け出た手数料表に基づくもの

厚生労働省の職業紹介事業の業務運営要領「第6 手数料」によれば、上限制手数料の最高額は「支払われた賃金額の100分の11(免税事業者は10.3)に相当する額」です(同一の者に6か月を超えて雇用された場合は6か月間の賃金が基礎、期間の定めのない雇用契約で6か月を超えた場合は別途100分の14.8/免税事業者13.9の計算方法もあります)。

一方、届出制手数料は「厚生労働大臣に届け出た手数料表の額」を徴収できるもので、上限制のようなパーセンテージの上限は課されていません。実務で目にする「年収の30〜35%」はこちらです。

理論年収 上限制手数料(11%) 届出制手数料(35%の例) 倍率
400万円 44.0万円 140.0万円 3.2倍
500万円 55.0万円 175.0万円 3.2倍
700万円 77.0万円 245.0万円 3.2倍

これは「人材紹介会社がぼったくっている」という話ではありません。上限制と届出制は事業者が選択するもので、届出制を選ぶこと自体は適法です(同法同項第2号)。ただし発注者としては、手数料率が業界慣行であって法定水準ではない以上、交渉の余地がある論点だと理解しておく意味があります。実際、上限制手数料を採用している事業者に対しては、要領上も「手数料の最高額の範囲内の手数料」を徴収することとされています。

契約前に確認すべき法務論点——発注者側が罰則の対象になり得る

採用代行には、他の業務委託にはない固有の法務論点があります。ここを外すと、代行会社ではなく発注者が罰則の対象になり得ます。費用の話から外れるようですが、契約形態が変われば費用構造も変わるため、見積もり比較の前提として押さえておく必要があります。

なお、以下は職業安定法および厚生労働省の業務運営要領という一次資料に基づく整理であり、個別の契約が該当するかどうかの判断は事案によります。具体的な契約については、所轄の都道府県労働局(需給調整事業部門)または弁護士・社会保険労務士に確認してください。

論点1:委託募集——報酬を払って「募集」を委託するには厚生労働大臣の許可が必要

職業安定法第4条第5項は「労働者の募集」を次のように定義しています。

労働者を雇用しようとする者が、自ら又は他人に委託して、労働者となろうとする者に対し、その被用者となることを勧誘すること

そして第36条(委託募集)は次のとおりです。

第1項 労働者を雇用しようとする者が、その被用者以外の者をして報酬を与えて労働者の募集に従事させようとするときは、厚生労働大臣の許可を受けなければならない。
第2項 前項の報酬の額については、あらかじめ、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
第3項 労働者を雇用しようとする者が、その被用者以外の者をして報酬を与えることなく労働者の募集に従事させようとするときは、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。

読み替えると、自社の従業員ではない第三者に、報酬を払って応募の勧誘をさせる場合は、許可が必要であり、しかも報酬の額そのものについても認可が必要ということです。さらに第40条は、この認可に係る報酬を与える場合を除いて、募集受託者への報酬供与を禁止しています。

罰則は第65条です。第4号で第36条第2項・第3項違反、第6号で第40条違反が挙げられ、「その違反行為をした者は、六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する」とされています。名宛人は「違反行為をした者」であり、募集を委託した発注者側も対象になり得ます

厚生労働省の業務運営要領も「第三者が介在する委託募集については、労働者保護の観点からその適格性を事前チェックする必要があることから許可制又は届出制としている」と説明しています。

実務上の確認ポイント:採用代行の業務範囲に「応募の勧誘」が含まれるか、含まれる場合に事業者側が許可・届出の手続を済ませているか、を契約前に確認してください。なお、後述のとおり職業紹介事業の許可を持つ事業者に依頼する場合の扱いは異なり得るため、実際の判断は労働局への確認が確実です。

論点2:職業紹介との線引き——「選考の代行」は職業紹介に当たり得る

これは採用代行を発注する側が最も見落としやすい論点です。厚生労働省の業務運営要領「第1 職業紹介事業の概要」には、次の記載があります。

求人者に紹介するため求職者を探索した上当該求職者に就職するよう勧奨し、これに応じて求職の申込みをした者をあっせんするいわゆるスカウト行為を事業として行う場合は、職業紹介事業に含まれるものであり、当該事業を行うためには、職業紹介事業の許可等が必要である。

さらに、募集情報等提供と職業紹介の区分を説明する箇所には、次の例示があります。

【例1-3】広告上は募集情報等提供事業であっても、実態として、当該募集情報等提供事業を行う者が、求人者に代わって採用候補者の選定や求人者の判断によらず選考に関するメールの返信等を行っている場合は、職業紹介に該当する。

この例示が示しているのは、「求人者に代わって採用候補者を選定する」「求人者の判断によらずに選考メールを返信する」という行為が、職業紹介に該当し得るということです。これはまさに、多くの採用代行サービスが提供している書類選考代行・応募者対応代行そのものです。

ここで決定的に重要なのは「求人者の判断によらず」という条件です。整理すると次のようになります。

依頼の仕方 位置づけ
自社が定めた基準に従って一次スクリーニングし、合否は自社が判断。代行会社は自社の判断を伝えるだけ 自社の判断が介在しており、単純な事務代行に近い
代行会社が独自の判断で合否を決め、自社に報告せず候補者へ通知する 要領の例1-3に近く、職業紹介に該当し得る

実務上の確認ポイント:選考基準を誰が作り、合否を誰が最終決定するかを契約書と運用フローの両方で明確にしてください。「書類選考をお任せします」という運用は、費用が安くなる代わりに法的な位置づけが曖昧になります。

論点3:許可の有無は公的サイトで確認できる

職業紹介事業の許可を持っているかどうかは、事業者の自己申告に頼る必要はありません。厚生労働省が運営する人材サービス総合サイトで、許可事業者と許可番号を検索できます。

スカウト代行や紹介的な業務を含む契約を検討しているなら、事業者名で検索して許可番号を確認してください。許可番号は「13-ユ-3000◯◯」のような形式です(有料職業紹介事業は「ユ」)。提案書に許可番号が記載されているサービスは、この点を自覚して事業を組み立てていると判断できます。

論点4:応募者の個人情報

採用代行では、応募者の履歴書・職務経歴書という機微な個人情報が代行会社に渡ります。職業安定法第5条の5第1項は、求人者や募集受託者等に対し、求職者等の個人情報を「その業務の目的の達成に必要な範囲内で」収集・保管・使用すること、収集の目的を明らかにすることを求め、同条第2項で「適正に管理するために必要な措置を講じなければならない」としています。

あわせて個人情報保護法上、委託先の監督義務が発注者に残ります。代行会社に渡したから責任も移る、とはなりません。契約時には少なくとも次を確認してください。

  • 応募者情報の保管場所とアクセス権限(代行会社の再委託先を含む)
  • 契約終了時の返却・削除の方法と期限
  • 再委託の可否と、再委託先での管理体制
  • 漏えい時の報告ルートと対応分担

論点5:常駐型は偽装請負のリスクがある

採用代行のうち、代行会社の担当者が発注者のオフィスに常駐したり、発注者の会議体に組み込まれたりする形態では、発注者が代行会社の担当者へ直接指揮命令を行うと、労働者派遣と判断されるおそれがあります。これは業務委託全般に共通する論点で、判断基準は労働省告示第37号(いわゆる37号告示)に定められています。詳しくは営業代行の費用相場|3つの料金体系の損益分岐点と見積もりの検算方法で整理しています。

採用代行では特に、始業終業時刻の指示、業務遂行方法の細かな指示、自社の採用管理システム(ATS)や電話・PCの無償提供が論点になりやすいポイントです。オンライン完結型で、代行会社が自社の設備・体制で完結して業務を行う形態のほうが、この点のリスクは小さくなります。

見積もりを検算する5つの質問

ここまでの内容を、実際に見積もりを受け取ったときに使う質問リストに落とします。この5つに数字で答えられない見積もりは、他社と比較できません。

  1. 月間の稼働時間(または対応件数)の上限はいくつですか。超過した場合の単価は。
    → 月額を稼働時間で割って時間単価を出します。5,000円前後なら実務代行、1万円超なら設計・判断を買っています。
  2. この月額に含まれない費用を全て挙げてください。
    → 求人媒体の掲載費、スカウト媒体の利用料、適性検査、採用広報制作、イベント運営。特に媒体費は原則実費負担です。
  3. 最低契約期間と、中途解約時の取り扱いは。
    → 稼働の中央値は5か月、6か月以下が74%です。採用が早期に決まった場合に残期間を払い切るなら、その分を総額に織り込みます。
  4. 書類選考の合否は誰が最終判断しますか。選考メールの文面と送信の判断は。
    → 費用の質問ではなく、職業安定法上の位置づけを確認する質問です(論点2)。
  5. 職業紹介事業の許可は保有していますか。許可番号は。
    → スカウトや紹介的な業務を含むなら必須の確認です。人材サービス総合サイトで裏取りできます(論点3)。

費用対効果の見方——採用単価は「総額÷採用人数」で出す

採用代行の費用対効果は、最終的に1名あたり採用単価で判断します。式は単純です。

採用単価 =(採用代行費 + 媒体費・広告費 + 社内人件費)÷ 採用人数

ここで多くの企業が漏らすのが社内人件費です。採用代行を導入する目的の大半は「採用担当者の工数削減」ですから、削減できた社内工数を金額に換算しなければ、効果が測れません

換算方法は次のとおりです。

  • 採用担当者の年収 ÷ 年間労働時間(約2,000時間)× 1.3〜1.5(社会保険料・間接費)= 時間あたり社内コスト
  • 年収500万円なら、500万÷2,000×1.4=約3,500円/時間
  • 月40時間削減できたなら、月14万円分の社内コスト削減

この計算をすると、月額中央値43.3万円の採用代行が「実質いくらの負担なのか」が見えます。月40時間削減できるなら実質29.3万円、月80時間なら実質15.3万円です。逆に、削減できる工数が月10時間(3.5万円分)しかないなら、月43万円の支出は工数削減では正当化できず、「自社にないノウハウを買う」という別の理由が必要になります。

この考え方を外注全般に広げた整理は外注と内製化、どっちが安い?5年間コスト(TCO)比較とシミュレーションで正しく判断するにまとめています。

依頼前チェックリスト

発注前に決めておくべき項目です。これらを決めずに見積もりを取ると、各社がバラバラの前提で提案してくるため、比較そのものが成立しません。

採用計画(見積もりを取る前に確定させる)

  • 採用職種と人数、想定する理論年収
  • 採用の期限(いつまでに何名)
  • 採用にかけられる年間予算の上限(損益分岐点の式から逆算)

業務範囲(どこまで任せ、どこから自社でやるか)

  • 採用要件の定義:自社/代行
  • 媒体選定・求人原稿作成:自社/代行
  • スカウト文面の作成:自社/代行
  • スカウト送信:自社/代行(数量の上限を明記)
  • 書類選考の基準策定:自社/代行
  • 書類選考の合否判断:自社(推奨)
  • 日程調整・応募者への連絡:自社/代行
  • 一次面接:自社/代行
  • 内定者フォロー:自社/代行

契約条件

  • 月間稼働時間の上限と超過単価
  • 最低契約期間と中途解約の条件
  • 成果報酬がある場合の「成果」の定義と返金規定
  • 月額に含まれない費用の一覧
  • 報告の頻度と内容(KPIを含む)

法務・情報管理

  • 職業紹介事業の許可の有無と許可番号
  • 応募者情報の保管・アクセス権限・削除条件
  • 再委託の可否
  • 常駐がある場合の指揮命令系統の整理

発注前の準備全般は外注前に決めておかないと失敗する項目一覧:成功への必須チェックリストと対策もあわせて確認してください。

よくある質問

Q. 結局、採用代行の費用相場はいくらと考えればよいですか?

A. 月額の中央値は約43万円、初期費用の中央値は約23万円、年間総額の中央値は約239万円です(342人調査の分布から算出)。よく引用される「月10万〜20万円」は最も回答が多かった帯であって、真ん中の企業が払っている額ではありません。予算を立てる際は月額ではなく年間総額で考えてください。

Q. 月額10万円台のサービスでは足りませんか?

A. 業務を絞れば十分に機能します。実際、比較表の公開料金では10万円台が最も多い価格帯です。ただし月10万円は「フルタイム担当者1人分」ではありません。時間換算すると、月90時間稼働なら時間単価1,111円で、これは個人へ直接委託する場合の相場下限です。「スカウト送信だけ」「日程調整だけ」など工程を絞る前提であれば、月10万円台は現実的な選択肢です。

Q. 初期費用0円のサービスを選べば安く済みますか?

A. 調査では初期費用0円だった企業は6.1%にとどまります。初期費用が0円でも、その分が月額に含まれているケースがあります。比較すべきは初期費用単体ではなく、「初期費用+月額×想定稼働月数」の年間総額です。特に3か月程度の短期利用では、初期費用の重みが大きくなります。

Q. 採用代行と人材紹介はどちらが安いですか?

A. 採用人数と理論年収で決まります。「採用代行の年間総額 ÷(理論年収 × 手数料率)」が損益分岐点の人数です。年間総額239万円・手数料率35%なら、理論年収600万円で1.14名、年収300万円なら2.28名。年収が高い人材を複数採るほど採用代行が有利、年収の低い人材を1名だけ採るなら人材紹介が有利です。

Q. 求人媒体の掲載費は採用代行の費用に含まれますか?

A. 原則として含まれず、発注者の実費負担となるのが一般的です。スカウト媒体の利用料も同様です。見積もり比較の際は、必ず「この月額に含まれない費用」を一覧で出してもらってください。

Q. 採用代行に書類選考まで任せて問題ありませんか?

A. 費用面では安くなりますが、法的な位置づけには注意が必要です。厚生労働省の業務運営要領は、「求人者に代わって採用候補者の選定や求人者の判断によらず選考に関するメールの返信等を行っている場合は、職業紹介に該当する」と例示しています。選考基準は自社が定め、合否の最終判断は自社が行うという運用にしておくのが安全です。個別の判断は所轄の都道府県労働局に確認してください。

Q. 契約期間はどのくらいが一般的ですか?

A. 調査では年間稼働の最多は3か月(20.7%)、次いで6か月(16.5%)。中央値は5か月で、6か月以下が74.0%です。通年利用は6.9%にとどまります。最低契約期間として3か月〜6か月を設定しているサービスが多く、この実態と整合しています。

Q. 成果報酬型のほうが損をしにくいのでは?

A. 一概には言えません。成果報酬型は理論年収の20%〜35%が相場とされ、1名あたりの単価は月額固定型より高くなる傾向があります。また「成果」の定義(内定承諾時/入社時/入社後◯か月)と早期退職時の返金規定によって、発注者のリスクが大きく変わります。単価を比べる前に、成果の定義と返金規定を比べてください。

まとめ

「採用代行 費用」で調べたときに出てくる「月10万〜20万円」という数字は、342人調査の最多層です。同じ調査の分布を集計し直すと、実際の中央値は月43万円、年間総額では239万円でした。

この記事の要点を再掲します。

  • 月額の中央値は約43万円、初期費用の中央値は約23万円、年間稼働の中央値は5か月。年間総額の中央値は約239万円
  • 比較表の公開料金(中央値19.75万円)は最安プランの下限であり、実支払額の中央値とは2.19倍の差がある
  • 同じサービスでも媒体によって金額が2倍違うのは、稼働時間プランという前提が落ちているため。比較可能にする唯一の尺度は時間単価
  • 従量課金の工程単価を積み上げると、中規模の採用1か月分は46.5万〜138万円。月43万円はフルスコープの価格ではない
  • 人材紹介との損益分岐点は「年間総額 ÷(理論年収 × 手数料率)」。年収600万円なら1名で並び、年収300万円台なら3名必要
  • 職業安定法上、報酬を払って募集を委託するには許可が必要(第36条、罰則は第65条)。選考の合否判断を代行会社に委ねると職業紹介に該当し得る

費用の妥当性は、提示された金額の大小では判断できません。稼働時間で割り、工程単価で積み上げ、年間総額に直し、採用計画から逆算した上限と突き合わせる——この4手順を踏めば、見積もりが高いのか安いのかを自分で判断できます。

他の業務の外注費用については外注費用の相場まとめ|業種別・作業種別に徹底解説から辿れます。関連する費用記事は次のとおりです。

参照元

本記事で用いた数値と法令の出典は次のとおりです。相場の数値はいずれも公開データを当サイトで再集計したものです。

※本記事の法令に関する記述は一次資料に基づく一般的な整理であり、個別の契約が該当するかどうかの判断ではありません。具体的な契約内容については、所轄の都道府県労働局(需給調整事業部門)または弁護士・社会保険労務士にご確認ください。

ガイチュウ博士

私は「ガイチュウ博士」。
外注Baseで、依頼の判断をサポートするために設計された架空のナビゲーターです。

これまでに蓄積された多数の外注事例をもとに、「この依頼は進めるべきか」「一度止まるべきか」を整理する役割を担っています。
感覚ではなく、条件や状況、リスクを分解して判断するのが特徴です。

得意なのは、曖昧な状態の整理です。
「なんとなく不安」「進めていいかわからない」といった状態を、そのままにしません。
チェック項目として分解し、一つずつ確認できる形に整えます。

私は結論を急ぎません。
必要な情報が揃っていない場合は、そのまま進めることのリスクも含めてお伝えします。
判断は、材料が揃ってからで十分です。

外注は便利ですが、同時に判断の連続でもあります。
その判断を落ち着いて行うための補助として、ここにいます。

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